“すえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スエ
語句割合
58.4%
17.6%
4.5%
4.1%
2.3%
末裔1.8%
澆季1.4%
0.9%
下婢0.9%
0.9%
末流0.9%
最終0.5%
末弟0.5%
下旬0.5%
下浣0.5%
周淮0.5%
将来0.5%
0.5%
後来0.5%
末女0.5%
末姫0.5%
末季0.5%
末端0.5%
須栄0.5%
0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
更にそのすえが裾野となって、ゆるやかな傾斜で海岸に延びており、そこに千々岩ちぢわ灘とは反対の側の有明ありあけ海が紺碧こんぺきの色をたたえて展開する。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
あなたはトルストイの名を其様そんなに軽いやすっぽいものに思ってお出なのでしょう乎。「吾未だ義人ぎじんすえの物乞いあるくを見し事なし」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
湯は、だだっ広い、薄暗い台所の板敷を抜けて、土間へ出て、庇間ひあわい一跨ひとまたぎ、すえ風呂をこの空地くうちから焚くので、雨の降る日は難儀そうな。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どちらも春から芽を出しながら、百合は秋の初、コスモスは秋のすえ覚束おぼつかなげな花が咲くまで、いじけたままに育つのである。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
少女は横浜の生糸仲買人の二女ですえと言い、当時十八歳で、桜井女学校の四年になっていた。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
実に聞くだに胸がむかついてくる。卿らの祖先はいったい、曹操の下僕しもべだったのか。いやしくも歴代朝門に仕えてきた人々の末裔すえではないか。泉下の祖先たちはおそらく慟哭どうこくしているだろう。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
有王 世は澆季すえになったと思われまする。平氏はますます栄えはびこり、その荘園しょうえんは天下に半ばし、一族ことごとく殿上てんじょうに時めき「平氏にあらざるものは人にあらず」といわれております。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
鱗が重なり重なッて髪の外面うわべを包んで居ます丁度筍の皮の様な按排式あんばいしきに鱗は皆根からすえへ向て居るのです
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
つい四年前に輿入こしいれしたばかりの、若い美しい忠興夫人は、その明智家の二女であり、大逆人の光秀のむすめであることを、お下婢すえ女童めわらべまでが、知らぬはないからであった。
他国より年来罷越居候流浪人、吟味の上村方故障無之分は、居懸百姓ゐかゝりひやくしよう又は見懸人みかけにんに相すえ、医者又は賤しからざる渡世仕来候者は、郡付亦は郷付浪人等に申付候様、享和二戌年御内達に有之。
五十鈴いすず河は末流すえの方でもはいってはいけない、ことに女人はだが——夏の夜、そっと流れに身をひたすと、山の陰が抱いてるように暗いのに、月光つき何処どこからかってきてあびる水がキラリとする。
最終すえの日に、国民のすべてが王の魂を持つ時が来れば、その時、愛蘭アイルランドは全世界の国々の中で第一位の国となるのでありましょう。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
コノール (了解せぬように)最終すえの日に?……最終すえの日に? お前は何の話をしているのか? コルマックは王となり、彼の子孫が彼の後を継ぐであろう。かれの妻エサには神々の血が伝っている。
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
また末弟すえの宗業も、天才的な名筆で、早くから、写経生しゃきょうせいの試験には合格し、十七歳のころには、万葉集全巻を、たった十日で写したというので、後白河帝の御感ぎょかんにもあずかったほどな
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長兄うえの範綱は歌人だし、中の有範は、皇后大進だいしんという役名で、一時は御所と内裏だいりとに重要な地位を占めていたが、今は洛外らくがいにああして隠遁いんとん的にくすぶっているし、末弟すえの宗業は、書記局の役人で
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
降りみ降らずみの梅雨つゆ上りのこと。弘化はこの年きりの六月の下旬すえだった。
如月の下浣すえの童馬忌來るごとに京の寒さもうべとおもはむ
斎藤茂吉の死を悲しむ (旧字旧仮名) / 吉井勇(著)
上総周淮すえ郡、上丁物部竜もののべのたつの作。下の句は、「に取り着きて言ひし子ろはも」というのだが、それがなまったのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
脚気症の母乳はよく赤児あかごの脳を犯すことや、その取り返しのつかない将来すえのことを思うと、絶対にやってはならないことだった。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
さればこそ北条のすえ、足利のはじめにおいては、「天皇御謀反ごむほん」の新熟語も出できたりたるなれ。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
そんなことをいった人に後来すえをみせて。赤い顔をさせておやんなさい。
藪の鶯 (新字新仮名) / 三宅花圃(著)
「月輪殿のお末女すえの方、玉日姫を、わたくしの妻として乞いうけたいのでございます」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
御弟子みでしのうちから、一人の若人をちょうだいして、私の末姫すえむすめ娶合めあわせたいと考えまするが、上人に、お言葉添えをしていただかれましょうや? ……」琥珀こはくの珠でもあるような上人のひとみ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
五月末季すえのある夕ぐれ、商売上の些細なことから犬も食わない立廻りのあげく、打ちどころでも悪かったものか、おりんは平兵衛の振り上げた仕事用のきぬたの下に
やや旧派の束髪に結って、ふっくりとした前髪を取ってあるが、着物は木綿の縞物しまものを着て、海老茶色えびちゃいろの帯の末端すえが地について、帯揚げのところが、洗濯の手を動かすたびにかすかにうごく。
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
母の須栄すえが、大きな紙包みを幾つも提げて、「寒い、寒い」と云ひながら上つて来た。
花問答 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
掌に、皮が干上って餡からすえた臭のする桜餅をとって貰いながら石川は
牡丹 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)