すえ)” の例文
田舎なれど会堂おもいのほかに美しく、食卓の器は王宮よりはこび来ぬとて、純銀の皿、マイセン焼のすえものなどあり。
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
少女は横浜の生糸仲買人の二女ですえと言い、当時十八歳で、桜井女学校の四年になっていた。
湖畔 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すえ軍は、兵二万余、船五百余艘で、島へわたり、塔ヶ岡を本陣とし、元就の一家臣が守っていた有ノ浦の小城(今の連絡汽艇のつく桟橋附近の山)を取ろうとしたものである。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
退職官吏Yの考へでは、自分の蒐集品しゅうしゅうひんことにこまかい細工ものゝ昔人形や、壊れものゝすえもの類は、骨董こっとう美術品商の娘であるかの女のれて丹念な指先が、手入れ保存に適当だと思つたからであつた。
過去世 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
田舎なれど会堂おもひのほかに美しく、食卓の器は王宮よりはこび来ぬとて、純銀の皿、マイセン焼のすえものなどあり。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)