末弟すえ)” の例文
また末弟すえの宗業も、天才的な名筆で、早くから、写経生しゃきょうせいの試験には合格し、十七歳のころには、万葉集全巻を、たった十日で写したというので、後白河帝の御感ぎょかんにもあずかったほどな
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長兄うえの範綱は歌人だし、中の有範は、皇后大進だいしんという役名で、一時は御所と内裏だいりとに重要な地位を占めていたが、今は洛外らくがいにああして隠遁いんとん的にくすぶっているし、末弟すえの宗業は、書記局の役人で
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)