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性
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せう
女房をだまくらかして
妾の
處へ
注ぎ
込む
樣な
不人情は
仕度ても
出來ない、あれ
丈腹の
太い
豪いのでは
有らうが、
考へると
此處の
旦那も
鬼の
性さ、二
代つゞきて
彌々根が
張らうと
年を
言はゞ二十六、
遲れ
咲の
花も
梢にしぼむ
頃なれど、
扮裝のよきと
天然の
美くしきと二つ
合せて五つほどは
若う
見られぬる
徳の
性、お
子樣なき
故と
髮結の
留は
言ひしが、あらばいさゝか
沈着くべし