まど)” の例文
そのうちまどろいと思ったか、鉄扇を捨てて無手をかざした自斎は、飛燕の如く身を屈めると、もう渦を巻いてる多勢の思わぬ所へ姿を現わし、寄る奴当る奴の襟首えりくびとって、人を人へ投げつけはじめた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)