彼処あっこ)” の例文
旧字:彼處
「……いつや姉ちゃんに着物持って来てもろた家なあ? 彼処あっこやったら気分もよう分ってるし、安心やねんけど、……彼処にせえへんか?」
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
肥前の呼子よぶこち知っとんなはろが。彼処あっこん王さまんごたっとたい。よか親子ですもんな。三等に乗っとりますばってん、そりゃ貴族院議員の資格もあるちいいよりましたばい。鯨ん鑵詰ばこさえとる。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
光子さんは「何処どこぞ近いとこへ逃げるのんやったら、あてとこの浜寺の別荘がええし」いいなさって、彼処あっこは今年留守番の夫婦てるだけやさかい、海水浴して来るいうてお梅どん連れて行くのんなら
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)