何処ドコ)” の例文
旧字:何處
郎女の心に動き初めたサトい光りは、消えなかつた。今まで手習ひした書巻の何処ドコかに、どうやら、法喜と言ふ字のあつた気がする。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
おれは、このおれは、何処ドコに居るのだ。……それから、こゝは何処なのだ。ソレよりも第一、コノおれはダレなのだ。其をすつかり、おれは忘れた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
何処ドコからか吹きこんだ朝山オロシに、御灯ミアカシが消えたのである。当麻語部タギマカタリの姥も、薄闇にウヅクマつて居るのであらう。姫はフタタビ、この老女の事を忘れてゐた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)