何処どけ)” の例文
旧字:何處
ちと長い旅行でもして帰って来る姿すがたを見かけた近所の子供に「何処どけへ往ったンだよゥ」と云われると、油然ゆうぜんとした嬉しさが心のそこからこみあげて来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
ねぶったか……あれやア居ねえわ、何処どけえ行っただな、わしが来る事を知っているから逃げたか、それとも小便垂れえ行ったかな、ア小便垂れえ行ったんだ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「こりば、先生にぐっちいいよらす。食べて見なはっとよか。そりゃうまか。小樽でうてらしたたい。自分の家の鑵詰ですもんな。うむ、日本中の何処どけ行たっちゃ売っとる。」
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
何処どけへ寝反つてるだ」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
何処どけへ売ってもじきに知れちまい、世の中にすくねえものだから、当分質に置くことも、売ることもほかへ預けることも出来ねえ品で、預けたところが直に足が附くから
この二、三日、何処どけどんんなはったじゃい、いっちょんわからんじゃったたい。吉植さん、飲んまっしゅう。ほんに、つまんのうしてなんたい。おいでまっせ。三等ん方がよか。飲んまっしゅう。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
たなへ往った処が重さんは一昨日おとといの晩出たきりけえらねえてえ、何処どけえ往ったか知んねえかと聞いて見たが、何処え往ったかいまがに知んねえから、方々捜し廻ってるが
恒「何も謝るには及ばねえが、聞きゃア手前てめえうちを仕舞ったそうだが、何処どけえ行く積りだ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
い事は覚えねえで不義わるさアして、此処こけへ走って来ると云うは何たる心得違こゝろえちげえなア親不孝の阿魔だか、呆れ果てた、われの根性を見限って勘当してくれるから、何処どけへでも出て
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
妻「おや良人あんたマアこんなに遅くなる訳はねえが、何処どけきやんした」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「何処どけへ行こうとおめえさんの知ったこッちゃアねえ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
長「エヽお久が、何処どけえ往ったんだ」
文七元結 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
婆「はえーい何処どけえなア」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
市「派出てえ何処どけえ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
母「あれまア何処どけえ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)