わけ)” の例文
けばくほど、へい、なんともひやうはねえ。けんども、お前様めえさま、おわけえに、くらゐことに、おとさつしやるもんでねえ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「何か、お前が出会でっくわした——黒門に逗留とうりゅうしてござらしゃるわけえ人が、手鞠てまりを拾ったちゅうはどこらだっけえ。」
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それからそのわけえ方は、(どうだろう、その黒門の空家というのを、一室ひとま借りるわけには行くまいか、自炊をって、しばらく旅の草臥くたびれを休めたい、)と相談ったが。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
突然いきなりざぶりと、わけえ人は衣服きものすそつかんだなりで、川の中へ飛込んだっけ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ま、ま、わけ旦那だんな落着おちつかつせえ、しづめさつせえまし。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)