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恐怖
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きようふ
ふりがな文庫
“
恐怖
(
きようふ
)” の例文
大阪屋は、さういふおきみから、
恐怖
(
きようふ
)
に似た壓迫を感じたらしく、妙にへどもどしたが、それを拂ひ除けるかのやうにまた叫んだ。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
大地震
(
だいぢしん
)
のときは
大地
(
だいち
)
が
裂
(
さ
)
けてはつぼみ、
開
(
ひら
)
いては
閉
(
と
)
ぢるものだとは、
昔
(
むかし
)
から
語
(
かた
)
り
傳
(
つた
)
へられて
最
(
もつと
)
も
恐怖
(
きようふ
)
されてゐる
一
(
ひと
)
つの
假想現象
(
かそうげんしよう
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
財貨
(
ざいくわ
)
によつて
物質的
(
ぶつしつてき
)
の
滿足
(
まんぞく
)
を
自分
(
じぶん
)
の
暖
(
あたゝ
)
かな
懷
(
ふところ
)
に
感
(
かん
)
じた
時
(
とき
)
凡
(
すべ
)
ては
此
(
こ
)
れを
失
(
うしな
)
ふまいとする
恐怖
(
きようふ
)
から
絶
(
た
)
えず
其
(
その
)
心
(
こゝろ
)
を
騷
(
さわ
)
がせつゝあるやうに
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
不幸
(
ふかう
)
にも、
此
(
この
)
心配
(
しんぱい
)
が
暮
(
くれ
)
の
二十日過
(
はつかすぎ
)
になつて、
突然
(
とつぜん
)
事實
(
じじつ
)
になりかけたので、
宗助
(
そうすけ
)
は
豫期
(
よき
)
の
恐怖
(
きようふ
)
に
火
(
ひ
)
が
點
(
つ
)
いた
樣
(
やう
)
に、いたく
狼狽
(
らうばい
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今吉は若くて敏感な者の本能的な
恐怖
(
きようふ
)
に引ずられて此處へ來たのでせう。一應平次が
宥
(
なだ
)
めた位のことでは、容易に引取りさうもありません。
銭形平次捕物控:165 桐の極印
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
彼女
(
かのぢよ
)
の
恐怖
(
きようふ
)
は、
今
(
いま
)
までそこに
思
(
おも
)
ひ
到
(
いた
)
らなかつたといふことのために、
餘計
(
よけい
)
大
(
おほ
)
きく
影
(
かげ
)
を
伸
(
のば
)
して
行
(
ゆ
)
くやうであつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
新
(
あら
)
たなる
悔
(
くゐ
)
を
覺
(
おぼ
)
えた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
の
婦人
(
ふじん
)
の
心痛
(
しんつう
)
と
恐怖
(
きようふ
)
はそも、
身
(
み
)
をしぼる
汗
(
あせ
)
は
血
(
ち
)
と
成
(
な
)
つて、
紅
(
くれなゐ
)
の
雫
(
しづく
)
が
垂々
(
たら/\
)
と
落
(
お
)
ちたと
云
(
い
)
ふ。
窘
(
くるしみ
)
も
又
(
また
)
極
(
きはま
)
つて、
殆
(
ほとん
)
ど
狂亂
(
きやうらん
)
して
悲鳴
(
ひめい
)
を
上
(
あ
)
げた。
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
しか
)
し目に見えない将来の
恐怖
(
きようふ
)
ばかりに
満
(
みた
)
された
女親
(
をんなおや
)
の
狭
(
せま
)
い胸には
斯
(
かゝ
)
る
通人
(
つうじん
)
の
放任
(
はうにん
)
主義は
到底
(
たうてい
)
容
(
い
)
れられべきものでない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
這麼事
(
こんなこと
)
を
恐
(
おそ
)
れるのは
精神病
(
せいしんびやう
)
に
相違
(
さうゐ
)
なき
事
(
こと
)
、と、
彼
(
かれ
)
も
自
(
みづか
)
ら
思
(
おも
)
ふて
是
(
こゝ
)
に
至
(
いた
)
らぬのでも
無
(
な
)
いが、
偖
(
さて
)
又
(
また
)
考
(
かんが
)
へれば
考
(
かんが
)
ふる
程
(
ほど
)
迷
(
まよ
)
つて、
心中
(
しんちゆう
)
は
愈々
(
いよ/\
)
苦悶
(
くもん
)
と、
恐怖
(
きようふ
)
とに
壓
(
あつ
)
しられる。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
都
(
すべ
)
ての
悦
(
よろこび
)
も
満足
(
まんぞく
)
も
自負
(
じふ
)
も
自信
(
じゝん
)
も、
悉
(
こと/″\
)
く自分を
去
(
さ
)
ツて
了
(
しま
)
ツて、
代
(
かはり
)
に
恐怖
(
きようふ
)
が來る。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
恐怖
(
きようふ
)
の敵
怪星ガン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
打れ
繩目
(
なはめ
)
嚴敷
(
きびしく
)
栗石
(
くりいし
)
の上に
蹲踞
(
かしこま
)
り其次に女房節
舅
(
しうと
)
藤八とも
謹
(
つゝし
)
んで
平伏
(
へいふく
)
す又右の方には訴訟人九郎兵衞夫婦其外引合の者村役人等居並びしが何れも遠國
邊鄙
(
へんぴ
)
の者始めて天下の決斷所へ出ければ白洲の
巍々堂々
(
きらびやか
)
なるに
恐怖
(
きようふ
)
なし
自然
(
しぜん
)
と
戰慄
(
ふるへ
)
居たりける又た本多家の役人松本理左衞門始め吟味掛りの者一同
留守居
(
るすゐ
)
付添
(
つきそひ
)
縁側
(
えんがは
)
へ
罷
(
まかり
)
出左の方には
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
大地震後
(
だいぢしんご
)
、
餘震
(
よしん
)
を
餘
(
あま
)
りに
恐怖
(
きようふ
)
するため、
安全
(
あんぜん
)
な
家屋
(
かおく
)
を
見捨
(
みす
)
てゝ、
幾日
(
いくにち
)
も/\
野宿
(
のじゆく
)
することは、
震災地
(
しんさいち
)
に
於
(
お
)
ける
一般
(
いつぱん
)
の
状態
(
じようたい
)
である。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
あまりの事に、お松は立上がる力もなく、疊の上にヘタヘタと崩折れて、
恐怖
(
きようふ
)
に見開いた眼が紅皿に吸ひ付いて居ります。
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
近所
(
きんじよ
)
には、
六歳
(
ろくさい
)
かに
成
(
な
)
る
男
(
をとこ
)
の
兒
(
こ
)
で、
恐怖
(
きようふ
)
の
餘
(
あま
)
り
氣
(
き
)
が
狂
(
くる
)
つて、
八疊
(
はちでふ
)
二間
(
ふたま
)
を、
縱
(
たて
)
とも
言
(
い
)
はず
横
(
よこ
)
とも
言
(
い
)
はず、くる/\
駈𢌞
(
かけまは
)
つて
留
(
と
)
まらないのがあると
聞
(
き
)
いた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
勘次
(
かんじ
)
は
羞恥
(
しうち
)
と
恐怖
(
きようふ
)
と
憤懣
(
ふんまん
)
との
情
(
じやう
)
を
沸
(
わか
)
したが
夫
(
それ
)
でも
薄弱
(
はくじやく
)
な
彼
(
かれ
)
は、それを
僻
(
ひが
)
んだ
目
(
め
)
に
表現
(
へうげん
)
して
逢
(
あ
)
ふ
人
(
ひと
)
毎
(
ごと
)
に
同情
(
どうじやう
)
してくれと
強
(
し
)
ふるが
如
(
ごと
)
く
見
(
み
)
えるのみであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
御米
(
およね
)
は
卒然
(
そつぜん
)
何
(
なに
)
とも
知
(
し
)
れない
恐怖
(
きようふ
)
の
念
(
ねん
)
に
襲
(
おそ
)
はれた
如
(
ごと
)
くに
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がつたが、
殆
(
ほと
)
んど
器械的
(
きかいてき
)
に、
戸棚
(
とだな
)
から
夜具蒲團
(
やぐふとん
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
して、
夫
(
をつと
)
の
云
(
い
)
ひ
付
(
つ
)
け
通
(
どほ
)
り
床
(
とこ
)
を
延
(
の
)
べ
始
(
はじ
)
めた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
お
豊
(
とよ
)
は
大吉
(
だいきち
)
と
云
(
い
)
ふ文字を見て安心はしたものゝ、大吉は
却
(
かへ
)
つて
凶
(
きよう
)
に返り
易
(
やす
)
い事を思ひ出して、
又
(
また
)
もや自分からさま/″\な
恐怖
(
きようふ
)
を
造出
(
つくりだ
)
しつゝ、非常に
疲
(
つか
)
れて
家
(
うち
)
へ帰つた。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
で、
彼
(
かれ
)
ももう
思慮
(
かんが
)
へる
事
(
こと
)
の
無益
(
むえき
)
なのを
悟
(
さと
)
り、
全然
(
すつかり
)
失望
(
しつばう
)
と、
恐怖
(
きようふ
)
との
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しづ
)
んで
了
(
しま
)
つたのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私
(
わし
)
は
思
(
おも
)
はず
恐怖
(
きようふ
)
の
声
(
こゑ
)
を
立
(
た
)
てゝ
叫
(
さけ
)
んだすると
何
(
なん
)
と?
此時
(
このとき
)
は
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えて、
上
(
うへ
)
からぼたり/\と
真黒
(
まツくろ
)
な
瘠
(
や
)
せた
筋
(
すぢ
)
の
入
(
はい
)
つた
雨
(
あめ
)
が
体
(
からだ
)
へ
降
(
ふり
)
かゝつて
来
(
き
)
たではないか。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
わが
國
(
くに
)
に
於
(
おい
)
ては
餘震
(
よしん
)
を
恐怖
(
きようふ
)
する
念
(
ねん
)
が
特
(
とく
)
に
強
(
つよ
)
いが、それは
右
(
みぎ
)
の
言葉上
(
ことばじよう
)
の
誤
(
あやま
)
りによりても
培養
(
ばいよう
)
せられてゐるのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
齒の根も合はないやうな
恐怖
(
きようふ
)
のうちに、これだけ話の筋を通すのは、勇吉にしては全く手一杯の努力でした。
銭形平次捕物控:006 復讐鬼の姿
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
只管
(
ひたすら
)
恐怖
(
きようふ
)
した。
然
(
しか
)
し
二人
(
ふたり
)
の
子
(
こ
)
を
見棄
(
みす
)
てゝ
行
(
ゆ
)
くことが
出來
(
でき
)
ないので、どうしていゝか
判斷
(
はんだん
)
もつかなかつた。さうする
内
(
うち
)
にお
品
(
しな
)
の七日も
過
(
す
)
ぎた。
彼
(
かれ
)
は
煩悶
(
はんもん
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
年
(
とし
)
の
暮
(
くれ
)
に、
事
(
こと
)
を
好
(
この
)
むとしか
思
(
おも
)
はれない
世間
(
せけん
)
の
人
(
ひと
)
が、
故意
(
わざ
)
と
短
(
みじか
)
い
日
(
ひ
)
を
前
(
まへ
)
へ
押
(
お
)
し
出
(
だ
)
したがつて
齷齪
(
あくせく
)
する
樣子
(
やうす
)
を
見
(
み
)
ると、
宗助
(
そうすけ
)
は
猶
(
なほ
)
の
事
(
こと
)
この
茫漠
(
ばうばく
)
たる
恐怖
(
きようふ
)
の
念
(
ねん
)
に
襲
(
おそ
)
はれた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さなきだに
彼
(
かれ
)
の
憔悴
(
せうすゐ
)
した
顏
(
かほ
)
は
不幸
(
ふかう
)
なる
内心
(
ないしん
)
の
煩悶
(
はんもん
)
と、
長日月
(
ちやうじつげつ
)
の
恐怖
(
きようふ
)
とにて、
苛責
(
さいな
)
まれ
※
(
ぬ
)
いた
心
(
こゝろ
)
を、
鏡
(
かゞみ
)
に
寫
(
うつ
)
したやうに
現
(
あら
)
はしてゐるのに。
其廣
(
そのひろ
)
い
骨張
(
ほねば
)
つた
顏
(
かほ
)
の
動
(
うご
)
きは、
如何
(
いか
)
にも
變
(
へん
)
で
病的
(
びやうてき
)
で
有
(
あ
)
つて。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
十八娘の美しさが、
恐怖
(
きようふ
)
と激情に
薫蒸
(
くんじよう
)
して、店中に匂ふやうな艶めかしさ。鹿の子絞り帶も、
緋縮緬
(
ひちりめん
)
の
襦袢
(
じゆばん
)
も亂れて、中年男のセピア色の腕にムズと抱へられます。
銭形平次捕物控:065 結納の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
民也
(
たみや
)
は
心
(
こゝろ
)
に
恐怖
(
きようふ
)
のある
時
(
とき
)
、
其
(
そ
)
の
蔀
(
しとみ
)
を
開
(
あ
)
けさしたくなかつた。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
どうかすると、自分の胸一つに疊んで、つまらない苦勞してゐる、日頃のお靜の氣性を知つてゐる平次には、その日のお靜の
恐怖
(
きようふ
)
が、尋常でないものを見拔いたのです。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お峯に庭の闇に
誘
(
さそ
)
ひ出されて、何と言ふこともない、若い女の神經を脅かす『
恐怖
(
きようふ
)
』を聽かされて居たのですが、世の誤解を
惧
(
おそ
)
れて、それを言はなかつた迄のことでした。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
凄まじい
恐怖
(
きようふ
)
が、花火のやうに
炸裂
(
さくれつ
)
したのも無理はありません。部屋の中に若い娘が一人、首に
強靱
(
きやうじん
)
な
麻繩
(
あさなは
)
を卷かれ、その繩尻を二間ばかり疊から縁側に引いて、
俯向
(
うつむき
)
になつたまゝ死んでゐたのです。
銭形平次捕物控:090 禁制の賦
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
賊の木枯傳次は始終緊張した態度で、用心深く
四方
(
あたり
)
を見廻して居たこと、一言も口をきかなかつたこと、そして、柄の大きい、
恐怖
(
きようふ
)
心のせゐか——雲を突くばかりの大男に見えたといふのが特色です。
銭形平次捕物控:188 お長屋碁会
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
妙に押し付けられたやうな、不安と
恐怖
(
きようふ
)
を
孕
(
はら
)
んだ聲です。
銭形平次捕物控:081 受難の通人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“恐怖”の解説
恐怖(きょうふ)、または恐れ(おそれ)(en: fear)は、動物や人間のもつ感情の一つで、こわいと思うことやその気持ち。
(出典:Wikipedia)
恐
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
怖
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
“恐怖”で始まる語句
恐怖心
恐怖症
恐怖王
恐怖的
恐怖紛
恐怖事件
恐怖戦慄