恐怖おそろ)” の例文
まとひを振り立てたりしてけ付けた時の恐怖おそろしさが、ツイ近頃のことのやうに、小池の胸にいて來た。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
云から待てゐよ必ず忘るゝ事なかれと憤怒ふんぬ目眥まなじり逆立さかだつてはつたと白眼にらみ兩の手をひし/\とにぎりつめくひしばりし恐怖おそろしさに忠兵衞夫婦は白洲しらすをも打忘うちわすれアツと云樣立上りにげんとするを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ものの一年になるやならずして、しかも、死んだ女のことばごとく、同門生の手に、この二面のことが渡ったとは、実にこの上ない不思議ではないか、人の思いは恐怖おそろしいとはかねて聞き及ぶが
二面の箏 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)