トップ
>
恐怖
>
きょうふ
ふりがな文庫
“
恐怖
(
きょうふ
)” の例文
が、資本だの
搾取
(
さくしゅ
)
だのと云う言葉にある尊敬——と云うよりもある
恐怖
(
きょうふ
)
を感じていた。彼はその恐怖を利用し、度たび僕を論難した。
彼
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一同が
縄
(
なわ
)
をひくと! 見よ! たくたくたる
丈余
(
じょうよ
)
の灰色の
巨鳥
(
きょちょう
)
! 足はかたくしばられ、
恐怖
(
きょうふ
)
と
疲労
(
ひろう
)
のために
気息
(
きそく
)
えんえんとしている。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
もうわたしもおとぎ話にある
若
(
わか
)
いはつかねずみのように、見るもの聞くものが
驚嘆
(
きょうたん
)
や
恐怖
(
きょうふ
)
の
種
(
たね
)
になるというようなことはなかった。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
新婚まもなく若い
稚気
(
ちき
)
のぬけなかった夫人は、恐らく
恐怖
(
きょうふ
)
にふるえながらも、人生の最も楽しく忘れ得ない夢を経験したのだ。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
外国の
事情
(
じじょう
)
に通ぜざる日本人はこれを見て、本国政府の
意向
(
いこう
)
も
云々
(
うんぬん
)
ならんと
漫
(
みだり
)
に
推測
(
すいそく
)
して
恐怖
(
きょうふ
)
を
懐
(
いだ
)
きたるものありしかども
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
▼ もっと見る
たださえ
兇暴
(
きょうぼう
)
な
野武士
(
のぶし
)
が焼けだされてきた日には、どんな
残虐
(
ざんぎゃく
)
をほしいままにするかも知れないと、家を
閉
(
と
)
ざして村中
恐怖
(
きょうふ
)
におののいている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何も知らない若者の恋人はそれをみると
恐怖
(
きょうふ
)
の
叫
(
さけ
)
びを発しようとしたが、若者は手をつよくにぎりしめてそれを制した。
おしどり
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
何
(
なん
)
となれば、
無智
(
むち
)
には
幾分
(
いくぶん
)
か、
意識
(
いしき
)
と
意旨
(
いし
)
とがある。が、
作用
(
さよう
)
には
何
(
なに
)
もない。
死
(
し
)
に
対
(
たい
)
して
恐怖
(
きょうふ
)
を
抱
(
いだ
)
く
臆病者
(
おくびょうもの
)
は、
左
(
さ
)
のことを
以
(
もっ
)
て
自分
(
じぶん
)
を
慰
(
なぐさ
)
めることが
出来
(
でき
)
る。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
そこに
生
(
は
)
えている
紫
(
むらさき
)
の
花
(
はな
)
と
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
とは、
思
(
おも
)
わず、
恐怖
(
きょうふ
)
にふるえながら、
顔
(
かお
)
を
見合
(
みあ
)
ってささやいたのでした。
戦友
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私は思わず
恐怖
(
きょうふ
)
の声を立てて
叫
(
さけ
)
んだ、すると何と? この時は目に見えて、上からぼたりぼたりと真黒な
痩
(
や
)
せた筋の入った雨が体へ降かかって来たではないか。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
男は、言いおわってぽんとトーマスの
肩
(
かた
)
をたたいた。トーマスは、きゃっと
恐怖
(
きょうふ
)
のさけび
声
(
ごえ
)
をあげ
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
かれは、その発信人が道江であることを知った
瞬間
(
しゅんかん
)
、おどろくというよりは、むしろ
恐怖
(
きょうふ
)
に似た感じで胸をふるわした。かれには、すぐには封を切る勇気が出なかった。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「ウウウウエイ。三十五歳。アツレキ三十一年七月一日夜、表、アフリカ、コンゴオの林中の空地に於て故なくして
擅
(
ほしいまま
)
に出現、
舞踏
(
ぶとう
)
中の土地人を
恐怖
(
きょうふ
)
散乱せしめたる件。」
ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
水というものから
恐怖
(
きょうふ
)
を取り去り、親しみを持たせるため家伝を倍加して小初を躾けた。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
次第に聴衆が増し、彼等の表情が、自分の物語の
一弛一張
(
いっしいっちょう
)
につれて、あるいは
安堵
(
あんど
)
の・あるいは
恐怖
(
きょうふ
)
の・
偽
(
いつわり
)
ならぬ色を
浮
(
うか
)
べるのを見るにつけ、この面白さは
抑
(
おさ
)
えきれぬものとなった。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
カニザワ東京区長は、そう語りながら、ハンカチーフを出して、顔の
汗
(
あせ
)
をぬぐった。おそらく氏は、その戦争
勃発
(
ぼっぱつ
)
一歩前の息づまるような
恐怖
(
きょうふ
)
を、今またおもいだしたからであろう。
三十年後の東京
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
車はあるいは急角度に横にまがり
斜
(
なな
)
めにおち、ガッタンガッタンと、登ったかとおもえば、また陥ちる、頭の
髪
(
かみ
)
が、風にふかれて
舞
(
ま
)
い上がるのも、
恐怖
(
きょうふ
)
に追われ逆立つおもいでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
小野 (文麻呂の異様な態度に不気味な
恐怖
(
きょうふ
)
を感じ始める)俺には聞えない……
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
『そしたら、もう万事休すだ』……けれど、不思議な感情が——
好奇心
(
こうきしん
)
よりも強く、
嫉妬
(
しっと
)
などよりまだ強く、
恐怖
(
きょうふ
)
よりも強い感情が、わたしを引止めた。わたしは、じっと目をこらし始めた。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
わたしは
現在
(
げんざい
)
あらゆる
危険
(
きけん
)
から
庇護
(
ひご
)
されていることはわかっているのに、
恐怖
(
きょうふ
)
がいよいよつのって、もうふるえが出るまでになっている。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
凶悪
(
きょうあく
)
な
海蛇
(
うみへび
)
がギロギロ目を光らして、洞前に立ちふさがってでもいるような
恐怖
(
きょうふ
)
が、一同の胸をしめつけた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
新蔵は毎度の事ながら、この時もやはり頭痛さえ忘れるほど、何とも云えない
恐怖
(
きょうふ
)
を感じて、思わず救いを求めるごとく、ほかの乗客たちの顔を見廻しました。
妖婆
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
で、
彼
(
かれ
)
ももう
思慮
(
かんが
)
えることの
無益
(
むえき
)
なのを
悟
(
さと
)
り、すっかり
失望
(
しつぼう
)
と、
恐怖
(
きょうふ
)
との
淵
(
ふち
)
に
沈
(
しず
)
んでしまったのである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
たといこれを
拒絶
(
きょぜつ
)
するも
真実
(
しんじつ
)
国と国との
開戦
(
かいせん
)
に
至
(
いた
)
らざるは
請合
(
うけあ
)
いなりとて
頻
(
しき
)
りに
拒絶論
(
きょぜつろん
)
を
唱
(
とな
)
えたれども、幕府の当局者は彼の
権幕
(
けんまく
)
に
恐怖
(
きょうふ
)
して
直
(
ただち
)
に
償金
(
しょうきん
)
を
払
(
はら
)
い
渡
(
わた
)
したり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
つぎはズボン、そのつぎは
服
(
ふく
)
、
恐怖
(
きょうふ
)
に顔をひきつらして、かの女が
部屋
(
へや
)
をうろうろと
逃
(
に
)
げまどうと、どこからともなく、からからとあざ
笑
(
わら
)
うつめたい声がきこえてきた。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
廂うらの
垂木
(
たるき
)
をガリガリと
走
(
はし
)
ってきた
小猿
(
こざる
)
が、咲耶子の
肩
(
かた
)
にとびついて手をやるとまた足もとへとび、おそろしくなにかに
恐怖
(
きょうふ
)
したらしく、彼女のまわりをグルグルまわりだした。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
真理
(
しんり
)
に
奉仕
(
ほうし
)
する、
野口英世
(
のぐちひでよ
)
のような
人
(
ひと
)
が
出
(
で
)
れば、これまで
発見
(
はっけん
)
の
困難
(
こんなん
)
とされた
病菌
(
びょうきん
)
とたたかって、
人間
(
にんげん
)
を
死
(
し
)
の
恐怖
(
きょうふ
)
から、
解放
(
かいほう
)
するであろうし、そういう
科学者
(
かがくしゃ
)
が
幾人
(
いくにん
)
も
出
(
で
)
れば、どれほど
世の中のために
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
相手が冗談を言っているのでもなく、気が狂っているのでもなく、また自分が聞き違えをしているのでもないことを確かめると、彼はほとんど
恐怖
(
きょうふ
)
に近い
狼狽
(
ろうばい
)
を示して、
吃
(
ども
)
りながら叫んだ。
名人伝
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
怒
(
いか
)
りに燃えあがったのか、それとも
恐怖
(
きょうふ
)
にたえ切れなくなったためか。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
また今更のように
恐怖
(
きょうふ
)
の感情を眼の色に
迸
(
ほとばし
)
らした。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
(女の子とつぜん
恐怖
(
きょうふ
)
にとらわれて立ちあがる)
病む子の祭
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
待て、どろぼう……そしてほかの人たちも
仲間
(
なかま
)
になって追っかけていた。けれどもわたしたちはどんどんかけた。
恐怖
(
きょうふ
)
がわたしたちの
速力
(
そくりょく
)
を進めた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
雨がようやく
小降
(
こぶ
)
りになった。東の空にあかつきの色が動きそめた。
恐怖
(
きょうふ
)
の夜が、明けようとしている。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
浄観
(
じょうかん
)
は大きい目をしたまま、
黙然
(
もくねん
)
とただ伝吉を見上げた。その顔に現れた感情は何とも云われない
恐怖
(
きょうふ
)
だった。伝吉は刀を構えながら、冷やかにこの恐怖を享楽した。
伝吉の敵打ち
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
さてまた
考
(
かんが
)
えれば
考
(
かんが
)
うる
程
(
ほど
)
迷
(
まよ
)
って、
心中
(
しんちゅう
)
はいよいよ
苦悶
(
くもん
)
と、
恐怖
(
きょうふ
)
とに
圧
(
あっ
)
しられる。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
飛
(
と
)
びこんでくるなり、トーマスは
恐怖
(
きょうふ
)
におののきながら、大声でさけんだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
手下どもも、見えぬ敵の
恐怖
(
きょうふ
)
におそわれた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、博士はひとりで
恐怖
(
きょうふ
)
していた。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
恐怖
(
きょうふ
)
を
覚
(
おぼ
)
えたのです。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
初
(
はじ
)
めは
恐怖
(
きょうふ
)
がわたしをかれから遠ざけたけれど、このごろはなんとは知れないが、ぼんやりと、いわば
尊敬
(
そんけい
)
に
似
(
に
)
た
感情
(
かんじょう
)
がかれとわたしをへだてていた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
いつもかれはこのところでいくどか
躊躇
(
ちゅうちょ
)
した、かれは生蕃をおそれたのであった、がかれはいま、それを考えたとき
恐怖
(
きょうふ
)
の念が夢のごとく消えてしまった。でかれは堂々とらっぱをふいた。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
恐怖
(
きょうふ
)
の
陰謀者
(
いんぼうしゃ
)
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
恐怖
(
きょうふ
)
と
驚愕
(
きょうがく
)
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでわたしは
恐怖
(
きょうふ
)
なしにねむった。かれがけっして手をはなさないことをわたしはよく知っていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
もっとも昼の光をはなれて地の
底
(
そこ
)
へはいって行くということには、ずいぶんの
恐怖
(
きょうふ
)
と心配がないではなかった。ぐんぐん
坑道
(
こうどう
)
を下りて行ったとき、わたしは思わずふりあおいだ。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
“恐怖”の解説
恐怖(きょうふ)、または恐れ(おそれ)(en: fear)は、動物や人間のもつ感情の一つで、こわいと思うことやその気持ち。
(出典:Wikipedia)
恐
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
怖
常用漢字
中学
部首:⼼
8画
“恐怖”で始まる語句
恐怖心
恐怖症
恐怖王
恐怖的
恐怖紛
恐怖事件
恐怖戦慄