“きょうふ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
恐怖72.7%
驚怖6.8%
怯夫4.5%
轎夫2.3%
侠婦2.3%
狂婦2.3%
矜負2.3%
矯誣2.3%
脅怖2.3%
驕婦2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一同がなわをひくと! 見よ! たくたくたる丈余じょうよの灰色の巨鳥きょちょう! 足はかたくしばられ、恐怖きょうふ疲労ひろうのために気息きそくえんえんとしている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
しかしそののちに彼はその娘の消息を少しも知らなかったそうだが、それから余程月日が経ってから、その話を聞いて、始めて非常に驚怖きょうふしたとの事である。
因果 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
「待てっ、怯夫きょうふっ」と、夏侯惇は、勝ち誇って、あくまで追いかけて行った。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
というは、轎夫きょうふとしてかつげば、相当の賃銭ちんせんを受ける一つの商売である。しかし壮丁として行くのは公利公益のために力を尽すのである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
前にいった轎夫きょうふ賃銭ちんせんは金銭で計算されるが、壮丁そうていの僕に対する好意は金銭をもって換算かんさんできぬものである。しかしてこれが一番貴重きちょうなる務めである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
それも一つの生活だから! まして彼女は侠婦きょうふである。そうして幾多の艱難かんなんに堪えた。明るく笑って暮らしたことであろう。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
このごろ老人もようやくわすれんとしつつありしをきょうは耳新しく、その狂婦きょうふもなくなったとげられ、苦痛くつう記憶きおくをことごとく胸先むなさきびおこして
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
お雪は窓に坐っている間はその身を卑しいものとなして、別に隠している人格を胸の底に持っている。窓の外を通る人は其歩みを此路地に入るるや仮面をぬぎ矜負きょうふを去るからである。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
符氏の女死して尚お貪婬たんいんなり、生ける時知るべし。況んや金蓮の怪誕なる、明器を仮りて以て矯誣きょうふし、世を惑わし民をい、条に違い法を犯す。
牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
側では養子が、異常の脅怖きょうふに上ずっていた目ににわかにいっぱい涙を浮べて、澤の方に手を差延ばした。澤は躊躇ちゅうちょしずにその手を取って強く握りしめた。
九月一日 (新字新仮名) / 水上滝太郎(著)
自然、悍婦かんぷも、驕婦きょうふも、物を縫うている瞬間だけは、良妻であり、賢婦であることのほかには見えない。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)