驚怖きょうふ)” の例文
彼の女は何にも云いませんが、しかし私はその目の中に、非常な驚怖きょうふを見て取りました。それでそれを穿鑿せんさくしてみたいと思ったわけです
しかしそののちに彼はその娘の消息を少しも知らなかったそうだが、それから余程月日が経ってから、その話を聞いて、始めて非常に驚怖きょうふしたとの事である。
因果 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
私はさいを残して行きます。私がいなくなっても妻に衣食住の心配がないのは仕合しあわせです。私は妻に残酷な驚怖きょうふを与える事を好みません。私は妻に血の色を見せないで死ぬつもりです。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)