矜負きょうふ)” の例文
お雪は窓に坐っている間はその身を卑しいものとなして、別に隠している人格を胸の底に持っている。窓の外を通る人は其歩みを此路地に入るるや仮面をぬぎ矜負きょうふを去るからである。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)