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坐敷
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ざしき
ふりがな文庫
“
坐敷
(
ざしき
)” の例文
あゝ
貴君
(
あなた
)
のやうにもないお
力
(
りき
)
が
無理
(
むり
)
にも
商買
(
しようばい
)
して
居
(
ゐ
)
られるは
此力
(
このちから
)
と
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
さぬか、
私
(
わたし
)
に
酒氣
(
さかけ
)
が
離
(
はな
)
れたら
坐敷
(
ざしき
)
は三
昧堂
(
まいどう
)
のやうに
成
(
な
)
りませう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
是程の麗わしきお辰、何とてさもしき心もつべき、
去
(
さり
)
し日
亀屋
(
かめや
)
の奥
坐敷
(
ざしき
)
に一生の大事と我も彼も
浮
(
うき
)
たる言葉なく、
互
(
たがい
)
に飾らず疑わず固めし約束
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
とある玄関で駒をすて、迎へに出た女官につれられて立派なお
坐敷
(
ざしき
)
に通り、
暫
(
しばら
)
く待つてゐると、竜王と、乙姫とが沢山な家来をつれて其処へおでましになりました。
竜宮の犬
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
此時にいたりて去年十月
以来
(
このかた
)
暗
(
くら
)
かりし
坐敷
(
ざしき
)
もやう/\
明
(
あかる
)
くなりて、
盲人
(
まうじん
)
の
眼
(
め
)
のひらきたる心地せられて、雛はかざれども桃の節供は名のみにて花はまだつぼみなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
奥
(
おく
)
さんが
坐敷
(
ざしき
)
の
真中
(
まんなか
)
へ
立
(
た
)
つて、
茫然
(
ぼんやり
)
、
斯
(
か
)
う
周囲
(
まはり
)
を
見回
(
みまは
)
してゐた
様子
(
やうす
)
つたら、——随分
可笑
(
おかし
)
なもんでした
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
坐敷
(
ざしき
)
に
坐
(
すわ
)
つたまゝ
爲
(
す
)
る
事
(
こと
)
もなく
茫然
(
ぼんやり
)
と
外
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
ゐ
)
たが、ちらと
僕
(
ぼく
)
の
眼
(
め
)
を
遮
(
さへぎ
)
つて
直
(
す
)
ぐ
又
(
また
)
隣家
(
もより
)
の
軒先
(
のきさき
)
で
隱
(
かく
)
れてしまつた
者
(
もの
)
がある。それがお
絹
(
きぬ
)
らしい。
僕
(
ぼく
)
は
直
(
す
)
ぐ
外
(
そと
)
に
出
(
で
)
た。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
ゆったりと
坐
(
すわ
)
って
烟草
(
たばこ
)
を二三服ふかしているうちに、
黒塗
(
くろぬり
)
の膳は主人の前に
据
(
す
)
えられた。水色の
天具帖
(
てんぐじょう
)
で張られた
籠洋燈
(
かごランプ
)
は
坐敷
(
ざしき
)
の中に置かれている。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此時にいたりて去年十月
以来
(
このかた
)
暗
(
くら
)
かりし
坐敷
(
ざしき
)
もやう/\
明
(
あかる
)
くなりて、
盲人
(
まうじん
)
の
眼
(
め
)
のひらきたる心地せられて、雛はかざれども桃の節供は名のみにて花はまだつぼみなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
どこかの役所へ勤める人か何かに
坐敷
(
ざしき
)
を貸す
料簡
(
りょうけん
)
で、近所のものに周旋を頼んでいたらしいのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
さればお
店
(
みせ
)
の
旦那
(
だんな
)
とても
父
(
とゝ
)
さん
母
(
かゝ
)
さん
我
(
わ
)
が
身
(
み
)
をも
粗略
(
そりやく
)
には
遊
(
あそ
)
ばさず、
常々
(
つね/\
)
大切
(
たいせつ
)
がりて
床
(
とこ
)
の
間
(
ま
)
にお
据
(
す
)
へなされし
瀬戸物
(
せともの
)
の
大黒樣
(
たいこくさま
)
をば、
我
(
わ
)
れいつぞや
坐敷
(
ざしき
)
の
中
(
なか
)
にて
羽根
(
はね
)
つくとて
騷
(
さわ
)
ぎし
時
(
とき
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
髪の
結様
(
ゆいよう
)
どうしたら
誉
(
ほめ
)
らりょうかと鏡に
対
(
むか
)
って小声に問い、
或夜
(
あるばん
)
の
湯上
(
ゆあが
)
り、
耻
(
はずか
)
しながらソッと
薄化粧
(
うすげしょう
)
して
怖怖
(
こわごわ
)
坐敷
(
ざしき
)
に
出
(
いで
)
しが、
笑
(
わらい
)
片頬
(
かたほ
)
に見られし御
眼元
(
めもと
)
何やら
存
(
あ
)
るように覚えて
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
今歳
(
ことし
)
は
別
(
わ
)
きてお
客樣
(
きやくさま
)
の
數多
(
かずおほ
)
く、
午後
(
ごゞ
)
三
時
(
じ
)
よりとの
招待状
(
せうたいじよう
)
一つも
空
(
むな
)
しう
成
(
な
)
りしは
無
(
な
)
くて、
暮
(
く
)
れ
過
(
す
)
ぐるほどの
賑
(
にぎは
)
ひは
坐敷
(
ざしき
)
に
溢
(
あふ
)
れて
茶室
(
ちやしつ
)
の
隅
(
すみ
)
へ
逃
(
のが
)
るゝもあり、二
階
(
かい
)
の
手摺
(
てす
)
りに
洋服
(
ようふく
)
のお
輕女郎
(
かるじよろう
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
冬春にかぎらず雪の
気物
(
きもの
)
にふれて
霜
(
しも
)
のおきたるやうになる、是を
里言
(
りげん
)
にシガといふ。
戸障子
(
としやうじ
)
の
隙
(
すき
)
よりも雪の気入りて
坐敷
(
ざしき
)
にシガをなす時あり、此シガ
朝噋
(
あさひ
)
の
温気
(
あたゝまり
)
をうくる処のは
解
(
とけ
)
ておつる。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
Kに対する私の良心が復活したのは、私が宅の
格子
(
こうし
)
を開けて、玄関から
坐敷
(
ざしき
)
へ通る時、すなわち例のごとく彼の
室
(
へや
)
を抜けようとした瞬間でした。彼はいつもの通り机に向って書見をしていました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
冬春にかぎらず雪の
気物
(
きもの
)
にふれて
霜
(
しも
)
のおきたるやうになる、是を
里言
(
りげん
)
にシガといふ。
戸障子
(
としやうじ
)
の
隙
(
すき
)
よりも雪の気入りて
坐敷
(
ざしき
)
にシガをなす時あり、此シガ
朝噋
(
あさひ
)
の
温気
(
あたゝまり
)
をうくる処のは
解
(
とけ
)
ておつる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
御返し
申
(
もうし
)
ますと率直に云えば、
否
(
いや
)
それは悪い
合点
(
がてん
)
、
一酷
(
いっこく
)
にそう云われずと子爵からの御志、是非
御取置
(
おとりおき
)
下され、珠運様には別に御礼を
申
(
もうし
)
ますが姿の見えぬは御
立
(
たち
)
なされたか、ナニ奥の
坐敷
(
ざしき
)
に。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
町子
(
まちこ
)
は
俄
(
には
)
かに
物
(
もの
)
のおそろしく、
立
(
たち
)
あがつて二
足
(
あし
)
三
足
(
あし
)
、
母屋
(
おもや
)
の
方
(
かた
)
へ
歸
(
かへ
)
らんと
爲
(
し
)
たりしが、
引止
(
ひきと
)
められるやうに
立止
(
たちど
)
まつて、
此度
(
このたび
)
は
狛犬
(
こまいぬ
)
の
臺石
(
だいいし
)
に
寄
(
より
)
かゝり、
木
(
こ
)
の
間
(
ま
)
もれ
來
(
く
)
る
坐敷
(
ざしき
)
の
騷
(
わさ
)
ぎを
遙
(
はる
)
かに
聞
(
き
)
いて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
稚兒
(
おさなご
)
が
母
(
はゝ
)
よぶ
樣
(
やう
)
に
差
(
さし
)
まねぎつ、
坐敷
(
ざしき
)
にも
入
(
い
)
らではるかに
待
(
ま
)
てば、
松野
(
まつの
)
は
徐
(
おもか
)
ろに
歩
(
あゆ
)
みを
進
(
すゝ
)
めて、
早
(
はや
)
く
竹椽
(
ちくえん
)
のもとに
一揖
(
いつしふ
)
するを、
糸子
(
いとこ
)
かるく
受
(
う
)
けて
莞爾
(
にこやか
)
に、
花莚
(
はなむしろ
)
の
半
(
なかば
)
を
分
(
わ
)
けつゝ
團扇
(
うちわ
)
を
取
(
と
)
つて
風
(
かぜ
)
を
送
(
おく
)
れば
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
坐
漢検準1級
部首:⼟
7画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
“坐”で始まる語句
坐
坐睡
坐禅
坐蒲団
坐臥
坐視
坐礁
坐直
坐禪
坐作