室内へや)” の例文
丁度いま、僕が暗い室内へやに入るやいなや、なにか異変のあったことを直感したのも、全く同じ作用であった。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
室内へやのどこやらに、白っぽい気がただよいそめて、今にも牛乳屋の車がガラガラ通りそう、お江戸は今、享保きょうほう何年かの三月十五日の朝を迎えようとしている。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
良人おっと室内へやへはいって来たことも知りながら寝入ったふうをしているものらしい。
源氏物語:37 横笛 (新字新仮名) / 紫式部(著)
一寸でも暖かい室内へやに入った後なので、外へ出ると寒さが一しお身にしみた。
碧眼 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
戸を閉めて、室内へやに戻る道々、ジャネットは、ノラにいいました。
またこの室内へやに何者か潜んでいて——無言で顔を見合っていた宇之吉と初太郎は、はっとわれに返ったように、互いに警戒し合いながら、押入れの奥、念のために寝床の中まで掻き廻してみたが
死にもの狂いで室内へやの机の上の首を指さした。が
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)