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痛
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いた
ふりがな文庫
“
痛
(
いた
)” の例文
その
光
(
ひかり
)
の中にかすかに人らしい
姿
(
すがた
)
が
見
(
み
)
えたので、
保名
(
やすな
)
はほっとして、
痛
(
いた
)
む
足
(
あし
)
をひきずりひきずり、
岩角
(
いわかど
)
をたどって
下
(
お
)
りて行きますと
葛の葉狐
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お
品
(
しな
)
には
與吉
(
よきち
)
が
惡戯
(
いたづら
)
をしたり、おつぎが
痛
(
いた
)
いといつて
指
(
ゆび
)
を
啣
(
くは
)
へて
見
(
み
)
せれば
與吉
(
よきち
)
も
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
を
口
(
くち
)
へ
當
(
あて
)
て
居
(
ゐ
)
るのが
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えるやうである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
風が傷口からふきこむと、いかにも悲しそうな音楽を
奏
(
そう
)
して、この気のどくなまつがみずから
痛
(
いた
)
みをうったえる声のように聞かれた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
三時間目に
菊池
(
きくち
)
先生がまたいろいろ話された。行くときまった人はみんな
面白
(
おもしろ
)
そうにして聞いていた。僕は頭が
熱
(
あつ
)
くて
痛
(
いた
)
くなった。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
苦
(
にが
)
い/\
藥
(
くすり
)
でしたが、お
腹
(
なか
)
の
痛
(
いた
)
い
時
(
とき
)
なぞにそれを
飮
(
の
)
むとすぐなほりました。お
藥
(
くすり
)
はあんな
高
(
たか
)
い
山
(
やま
)
の
土
(
つち
)
の
中
(
なか
)
にも
藏
(
しま
)
つてあるのですね。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
代助は立ちながら、
画巻物
(
ゑまきもの
)
を
展開
(
てんかい
)
した様な、
横長
(
よこなが
)
の
色彩
(
しきさい
)
を眺めてゐたが、どう云ふものか、
此前
(
このまへ
)
来
(
き
)
て見た時よりは、
痛
(
いた
)
く見劣りがする。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
春枝夫人
(
はるえふじん
)
は
痛
(
いた
)
く
心配
(
しんぱい
)
して『あまりに
御身
(
おんみ
)
を
輕
(
かろ
)
んじ
玉
(
たま
)
ふな。』と
明眸
(
めいぼう
)
に
露
(
つゆ
)
を
帶
(
お
)
びての
諫言
(
いさめごと
)
、
私
(
わたくし
)
は
實
(
じつ
)
に
殘念
(
ざんねん
)
であつたが
其儘
(
そのまゝ
)
思
(
おも
)
ひ
止
(
とゞま
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「病気ってわけじゃないんだけど、ひずめのあいだにとげみたいなものがささっちゃって、そいつが
痛
(
いた
)
いもんだから歩けないんだよ!」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
吟味
(
ぎんみ
)
せしに殘金十一兩
餘
(
よ
)
在
(
あ
)
りたり是を思へば文右衛門
盜賊
(
たうぞく
)
でなき事は
明白
(
めいはく
)
なり
斯程
(
かほど
)
に證據ある上は汝何程陳ずる共
詮
(
せん
)
なき事ぞ
痛
(
いた
)
き思ひを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
天使
(
てんし
)
でありますから、たとえ
破
(
やぶ
)
られても、
焼
(
や
)
かれても、また
轢
(
ひ
)
かれても、
血
(
ち
)
の
出
(
で
)
るわけではなし、また
痛
(
いた
)
いということもなかったのです。
飴チョコの天使
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いゝよ
親方
(
おやかた
)
からやかましく
言
(
い
)
つて
來
(
き
)
たら
其時
(
そのとき
)
の
事
(
こと
)
、
可愛想
(
かあいさう
)
に
足
(
あし
)
が
痛
(
いた
)
くて
歩
(
ある
)
かれないと
言
(
い
)
ふと
朋輩
(
ほうばい
)
の
意地惡
(
いぢわる
)
が
置去
(
おきざ
)
りに
捨
(
す
)
てゝ
行
(
い
)
つたと
言
(
い
)
ふ
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これで
蛭
(
ひる
)
に
悩
(
なや
)
まされて
痛
(
いた
)
いのか、
痒
(
かゆ
)
いのか、それとも
擽
(
くすぐ
)
つたいのか
得
(
え
)
もいはれぬ
苦
(
くる
)
しみさへなかつたら、
嬉
(
うれ
)
しさに
独
(
ひと
)
り
飛騨山越
(
ひだやまごえ
)
の
間道
(
かんだう
)
で
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しかしそこから南の方へまわって、
紀伊国
(
きいのくに
)
の
男
(
お
)
の
水門
(
みなと
)
までおいでになりますと、お傷の
痛
(
いた
)
みがいよいよ激しくなりました。命は
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
針小棒大
(
しんしょうぼうだい
)
の記事も沢山あったに違いありません。然し打明けて云えば、其記事については、私は非常に心を
痛
(
いた
)
むる事が多かった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「これッ。
武田家
(
たけだけ
)
の
宝物
(
ほうもつ
)
をしずめた湖水は、ここにそういあるまい、うそいつわりをもうすと、
痛
(
いた
)
いめにあわすぞ、どうじゃ!」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ふふふふ、
金
(
きん
)
の
字
(
じ
)
、なんで
急
(
きゅう
)
に
唖
(
おし
)
のように
黙
(
だま
)
り
込
(
こ
)
んじゃったんだ。
話
(
はな
)
して
聞
(
き
)
かせねえな。どうせおめえの
腹
(
はら
)
が
痛
(
いた
)
む
訳
(
わけ
)
でもあるめえしよ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
痛
(
いた
)
く細君に気遣われしなれ、「
様
(
さん
)
」
附
(
づけ
)
にも呼ばれしなれ、顔に傷をも受けしなれ、今は少しの不審も無し彼れが事は露ほども余が心に関せず
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
乳母 おゝ、
辛度
(
しんど
)
!
暫時
(
ちいと
)
まァ
休
(
やす
)
まして
下
(
くだ
)
され。あゝ/\、
骨々
(
ほね/″\
)
が
痛
(
いた
)
うて
痛
(
いた
)
うて! ま、どの
位
(
くらゐ
)
ほッつきまはったことやら!
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
何時も何時もわが歩みの目標となる軟かなるその壁の色はまだ芽にいでぬ薬草のにほひ
痛
(
いた
)
き畑のあなたに暮れゆかんとす。
春の暗示
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あっ
痛
(
いた
)
と思わず身体を
縮
(
ちじ
)
めたとき、博士の足は、その煙突から一丁も放れた或る喫茶店の窓にひっかかって、靴がポロリと
脱
(
ぬ
)
げたのであったから。
空気男
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
そのうえ、けがのために
視力
(
しりょく
)
がすっかりよわってしまってね。ときどき
痛
(
いた
)
みだすと、何時間も
暗
(
くら
)
がりの中で、じっとしていなければならないんだ。
透明人間
(新字新仮名)
/
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(著)
昨日
(
きのふ
)
の
興奮
(
こうふん
)
の
爲
(
ため
)
にか、
彼
(
かれ
)
は
疲
(
つか
)
れて
脱然
(
ぐつたり
)
して、
不好不好
(
いやいや
)
ながら
言
(
い
)
つてゐる。
彼
(
かれ
)
の
指
(
ゆび
)
は
顫
(
ふる
)
へてゐる。
其顏
(
そのかほ
)
を
見
(
み
)
ても
頭
(
あたま
)
が
酷
(
ひど
)
く
痛
(
いた
)
んでゐると
云
(
い
)
ふのが
解
(
わか
)
る。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
私は何か? 心の
痛
(
いた
)
みと道義の爲めの
狂
(
くる
)
ほしい努力の中にあつて私は自分を
忌
(
い
)
み嫌つた。私は自讃から、否自尊の心からさへ何の慰めも得なかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
大入道は、おそろしいうなり声を立てて、
痛
(
いた
)
いのと、腹が立つのとで、とび起きました。そして、うでをのばして、私どもをつかまえようとしました。
アラビヤンナイト:04 四、船乗シンドバッド
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
『
其位
(
そのくらゐ
)
ぢや
滿足
(
まんぞく
)
は
出來
(
でき
)
ないわ』と
痛
(
いた
)
ましげな
聲
(
こゑ
)
で
憐
(
あは
)
れな
愛
(
あい
)
ちやんが
呟
(
つぶや
)
いて、さて
思
(
おも
)
ふやう、『
何
(
ど
)
うかして
芋蟲
(
いもむし
)
を
怒
(
おこり
)
ッぽくしない
工夫
(
くふう
)
はないものかしら』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「あ、
痛
(
いた
)
! そんな
酷
(
ひど
)
い事をなさらなくても、
其処
(
そこ
)
の角まで参ればお放し申しますから、もう少しの間どうぞ……」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
病身ながら、鶴吉は若い丈けに気を取り直して、前よりも勉強して店をしたが、
籠
(
こ
)
められるだけの力を籠め切つて
余裕
(
ゆとり
)
のない様子が見るに
痛
(
いた
)
ましかつた。
お末の死
(新字旧仮名)
/
有島武郎
(著)
露霜
(
つゆしも
)
に
痛
(
いた
)
められて、さびにさびたのこりの草花に、いいがたきあわれを感じて、主人はなんとなし
悲
(
かな
)
しくなった。
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
お角もこのごろは、
痛
(
いた
)
し
痒
(
かゆ
)
しの
体
(
てい
)
で、興行は大当りに当ったが、お銀様というものに逃げられたのが
癪
(
しゃく
)
で、金助をとっちめてみたところがはじまらない。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何ぞまた訳でもあるような気イしてめったなこといわれへん思てるうちに、「ああ
痛
(
いた
)
、……また
痛
(
いと
)
なって来た」いうてお
腹
(
なか
)
さすり出しなさったのんです。
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
また豊野の停車場にては、小荷物
預
(
あず
)
けんといいしに、
聞届
(
ききとど
)
けがたしと、官員がほしていいしを、
痛
(
いた
)
く
責
(
せ
)
めしに、後には何事をいいても、いらえせずなりぬ。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
然
(
しか
)
るに
世
(
よ
)
にすねたる
阿呆
(
あはう
)
は
痛
(
いた
)
く
文学者
(
ぶんがくしや
)
を
斥罵
(
せきば
)
すれども是れ
中々
(
なか/\
)
に
識見
(
しきけん
)
の
狭陋
(
けふろう
)
を
現示
(
げんじ
)
せし
世迷言
(
よまいごと
)
たるに
過
(
す
)
ぎず。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
紫の羽織を着てゐた頃の綾さんの姿を思浮べると、遉に胸頭に輕い
痛
(
いた
)
みを感ぜぬでもなかツた。叔父に「
娶
(
もら
)
ツたら何うだ。」と謂はれたことなども思出した。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
さ「あ
痛
(
いた
)
た/\恐れ入りました、上げますよ/\、上げますから堪忍して下さい、娘の
貰引
(
もらいひき
)
に
咽
(
のど
)
を締る奴がありますか、
軍鶏
(
しゃも
)
じゃアあるまいし、上げますよ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
それからね、そのとんぼは、
怒
(
おこ
)
って大
蜘蛛
(
ぐも
)
のやつにくいかかりました。くいつかれた大
蜘蛛
(
ぐも
)
は、
痛
(
いた
)
い!
痛
(
いた
)
い! 助けてくれってね、大声にさけんだのですよ。
赤とんぼ
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「久兵衛さん、お前は心掛けがよくねえから、このくれえの
痛
(
いた
)
事はけえって気つけかもしれねえが、
当方
(
こちとら
)
あその
贋元
(
にせげん
)
にちょっと心当りがあろうというもの——。」
釘抜藤吉捕物覚書:05 お茶漬音頭
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
出家した朱雀院も、肉親のきづなは断ち切れぬ歎きのまゝに、かう言つてかきくどくわけだが、女三の宮の悲劇とともに、当時の読者の心を
痛
(
いた
)
くうつたにちがひない。
物語の絵画化についてなど
(新字旧仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
痛
(
いた
)
し
痒
(
かゆ
)
しというわけで、親達もまだ迷っているうちに、婿取りの姉の方がこんなことになってしまったから、妹をよそへやるという訳には行きますめえ。どうなりますかね
半七捕物帳:22 筆屋の娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今朝
(
けさ
)
の
朝
(
あさ
)
け
雁
(
かり
)
がね
聞
(
き
)
きつ
春日山
(
かすがやま
)
もみぢにけらし
吾
(
わ
)
がこころ
痛
(
いた
)
し 〔巻八・一五二二〕 穂積皇子
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
旦那、多分、お
痛
(
いた
)
はしいお心からでは御座んせんか。
暴風
(
あらし
)
の晩にたつた一邊かいだばかりで、一生忘られない花の香もありますから。たしか、今暴風の晩と
仰有
(
おつしや
)
いましたね。
わるい花
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
こゝらにも各人が作の
價値
(
かち
)
を
批判
(
ひはん
)
する心持の
相違
(
さうゐ
)
があると見えますが、「和解」に
描
(
ゑが
)
かれてゐる作のテエマ、即ち父と子の
痛
(
いた
)
ましい心の
爭鬪
(
さうとう
)
に對して
働
(
はたら
)
いてゐる作者の
實感
(
じつかん
)
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
柔道
(
じゅうどう
)
の受け身を知らぬモンクス、後ろ頭を板の間でしたたか打った。
腰
(
こし
)
も打った。その
痛
(
いた
)
さ!
柔道と拳闘の転がり試合
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
さるに
茲年
(
ことし
)
四月
(
うづき
)
の
比
(
ころ
)
、かの
童児
(
わらは
)
かりそめの病に臥しけるが、日を
経
(
へ
)
ておもくなやみけるを
四一
痛
(
いた
)
みかなしませ給うて、
四二
国府
(
こうふ
)
の
典薬
(
てんやく
)
の
四三
おもだたしきをまで迎へ給へども
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
別
(
べつ
)
に
特別
(
とくべつ
)
痛
(
いた
)
むわけでもなく
外面
(
ぐわいめん
)
からも
右足
(
うそく
)
の
膝關節
(
しつくわんせつ
)
は、なんの
異常
(
いじやう
)
もなかつたのであるけれども、
自由
(
じいう
)
に
曲折
(
きよくせつ
)
が
出來
(
でき
)
ない
爲
(
た
)
めに、
學校
(
がくかう
)
では
作法
(
さはふ
)
と
體操
(
たいさう
)
を
休
(
やす
)
まなければならなかつた。
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
すると
傍聴者
(
ぼうちょうしゃ
)
のなかに、
痛
(
いた
)
くこの演説が
癪
(
しゃく
)
に
触
(
さわ
)
った者があって、講演者を罪せんとたくらみ、彼は御真影の前をも
憚
(
はばか
)
らず
猥褻
(
わいせつ
)
なる
語
(
ことば
)
を用いたと称して問題を惹き起こしたことがある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
一つは牛の種類が良いからですし、一つは中国筋で牛を
飼
(
か
)
う者が労役させると
直段
(
ねだん
)
が廉くなりますから極く
痛
(
いた
)
わって牛を使います。関東では牛の
斃
(
たお
)
れるまで
追使
(
おいつか
)
ってそれから
潰
(
つぶ
)
します。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
小言
(
こごと
)
がましき時にあたって慈愛の情の
平常
(
つね
)
に
勝
(
まさ
)
り病子を看護するを見たり、爾無限の慈母も余の
痛
(
いた
)
める時に余を愛する余が平常無事の時の比にあらざるなり、余の愛するもの失してのち
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
この二人の上京は、実のところ葉之助にとっては、
痛
(
いた
)
し
痒
(
かゆ
)
しというところであった。彼は依然としてお露に対しては強い恋を感じていた。出逢って話すのは、もちろん非常に楽しかった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一
層
(
そう
)
彼女
(
かのじよ
)
は
私
(
わたし
)
の
心
(
こゝろ
)
の
痛
(
いた
)
みをさすつてくれようとしてゐるらしいのであつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
堤
(
つゝみ
)
の
枯草
(
かれくさ
)
の
上
(
うへ
)
に
立
(
た
)
つて、
但馬守
(
たじまのかみ
)
は
大
(
おほ
)
きな
聲
(
こゑ
)
で
新任
(
しんにん
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
に
兼
(
か
)
ねて一
場
(
ぢやう
)
の
訓示
(
くんじ
)
演説
(
えんぜつ
)
をした。
其
(
そ
)
の
演説
(
えんぜつ
)
に
少
(
すこ
)
しも
耳
(
みゝ
)
を
痛
(
いた
)
めないで
聽
(
き
)
くことの
出來
(
でき
)
た
者
(
もの
)
は、
多
(
おほ
)
くの
與力
(
よりき
)
同心
(
どうしん
)
中
(
ちう
)
で
殆
(
ほと
)
んど
一人
(
ひとり
)
もなかつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
“痛(痛み)”の解説
本記事では神学、哲学、文学等々で扱われている痛みあるいは苦痛 (いずれも pain)を扱う。
痛みについては、(医師などばかりでなく)哲学者や神学者などもしばしば論じてきた。近年では、人間の経験(や現象)というものが持つ基本的な性質に関して哲学的な議論を行うときや、クオリアについて論じる時などに、しばしば言及されている。
(出典:Wikipedia)
痛
常用漢字
小6
部首:⽧
12画
“痛”を含む語句
痛痒
苦痛
悲痛
頭痛
疼痛
痛所
痛々
心痛
手痛
痛苦
腹痛
痛快
痛事
痛入
痛恨
痛切
歯痛
頭痛膏
痛足
痛心
...