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斥罵
此故に
当世の
文学者は
口に
俗物を
斥罵する事
頗る
甚だしけれど、
人気の
前に
枉屈して其
奴隷となるは
少しも
珍らしからず。
(
渠等が
通の
原則を
守りて
俗物を
斥罵するにも
関らず。)然しながら
縦令俗物に
渇仰せらる〻といへども
路傍の
道祖神の如く
渇仰せらる〻にあらす
然るに
世にすねたる
阿呆は
痛く
文学者を
斥罵すれども是れ
中々に
識見の
狭陋を
現示せし
世迷言たるに
過ぎず。