わるい花わるいはな
花屋の前を通り過ぎた。威勢よく反身になつてゐる花もある、しよんぼりと絶え入つてゐる花もある、その花屋の前を通りすがると、妙に氣を搖る意地の惡い香がした、胸苦しいほど不思議の香がした。そこでなかへ入つて行つて尋いてみた。 「おかみさん、どうぞ …