“苛（いた）” の例文
しかし殻（から）もだいぶ混っていた。水入には粟の殻が一面に浮いて、苛（いた）く濁っていた。易（か）えてやらなければならない。また大きな手を籠の中へ入れた。
文鳥 (新字新仮名) ／ 夏目漱石(著)
そうして、その動悸は肉体を苛（いた）めつけるような苦しいものがともなっている場合がある。よその奥さんの気持ちの中に、こんな気持（こころ）はミジンも湧いて来ないものだろうか。
恋愛の微醺 (新字新仮名) ／ 林芙美子(著)