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至
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いた
ふりがな文庫
“
至
(
いた
)” の例文
とその
家庭
(
かてい
)
の
苦痛
(
くつう
)
を
白状
(
はくじやう
)
し、
遂
(
つい
)
にこの
書
(
しよ
)
の
主人公
(
しゆじんこう
)
、
後
(
のち
)
に
殺人
(
さつじん
)
の
罪人
(
ざいにん
)
なるカ……イ……を
伴
(
ともな
)
ひて
其
(
その
)
僑居
(
けうきよ
)
に
歸
(
かへ
)
るに
至
(
いた
)
る
一節
(
いつせつ
)
極
(
きは
)
めて
面白
(
おもしろ
)
し。
罪と罰(内田不知庵訳)
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
ひるがへつて
歐米
(
おうべい
)
を
見
(
み
)
れば、さすがに
母語
(
ぼご
)
は
飽
(
あ
)
くまでもこれを
尊重
(
そんてう
)
し、
英米
(
えいべい
)
の
如
(
ごと
)
きは
至
(
いた
)
るところに
母語
(
ぼご
)
を
振
(
ふ
)
りまはしてゐるのである。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
凡
(
およそ
)
雪九月末より
降
(
ふり
)
はじめて雪中に春を
迎
(
むかへ
)
、正二の月は雪
尚
(
なほ
)
深
(
ふか
)
し。三四の月に
至
(
いた
)
りて次第に
解
(
とけ
)
、五月にいたりて雪全く
消
(
きえ
)
て
夏道
(
なつみち
)
となる。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
初更
(
しよかう
)
に
至
(
いた
)
るや、
病
(
や
)
める
妻
(
つま
)
なよやかに
起
(
お
)
きて、
粉黛
(
ふんたい
)
盛粧
(
せいしやう
)
都雅
(
とが
)
を
極
(
きは
)
め、
女婢
(
こしもと
)
をして
件
(
くだん
)
の
駿馬
(
しゆんめ
)
を
引出
(
ひきいだ
)
させ、
鞍
(
くら
)
を
置
(
お
)
きて
階前
(
かいぜん
)
より
飜然
(
ひらり
)
と
乘
(
の
)
る。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
自分
(
じぶん
)
が
大学
(
だいがく
)
にいた
時分
(
じぶん
)
は、
医学
(
いがく
)
もやはり、
錬金術
(
れんきんじゅつ
)
や、
形而上学
(
けいじじょうがく
)
などと
同
(
おな
)
じ
運命
(
うんめい
)
に
至
(
いた
)
るものと
思
(
おも
)
うていたが、
実
(
じつ
)
に
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
き
進歩
(
しんぽ
)
である。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
第二にその神学の解釈に
至
(
いた
)
っては私の最疑義を有する所であります。
殊
(
こと
)
にも摂理の解釈に至っては
到底
(
とうてい
)
博士は信者とは云われませぬ。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
私
(
わたくし
)
が
三浦
(
みうら
)
へ
嫁
(
とつ
)
いだ
頃
(
ころ
)
は五十
歳
(
さい
)
位
(
くらい
)
でもあったでしょうが、
夙
(
とう
)
に
女房
(
にょうぼう
)
に
先立
(
さきだ
)
たれ、
独身
(
どくしん
)
で
立
(
た
)
ち
働
(
はたら
)
いている、
至
(
いた
)
って
忠実
(
ちゅうじつ
)
な
親爺
(
おやじ
)
さんでした。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
金時計
(
きんどけい
)
だの
金鎖
(
きんぐさり
)
が
幾
(
いく
)
つも
並
(
なら
)
べてあるが、
是
(
これ
)
もたゞ
美
(
うつく
)
しい
色
(
いろ
)
や
恰好
(
かつかう
)
として、
彼
(
かれ
)
の
眸
(
ひとみ
)
に
映
(
うつ
)
る
丈
(
だけ
)
で、
買
(
か
)
ひたい
了簡
(
れうけん
)
を
誘致
(
いうち
)
するには
至
(
いた
)
らなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
利根源泉の上部に
至
(
いた
)
りては白雲
皚々
(
がい/\
)
たり、之れ地勢上及気象上の
然
(
しか
)
らしむる所なりと雖ども、利根の
深奥
(
しんおく
)
なる亦
想
(
おも
)
ひ見るべし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
從
(
したが
)
つてそれ
以前
(
いぜん
)
の
原始人
(
げんしじん
)
だとか、ハイデルベルグ
人
(
じん
)
だとかに
至
(
いた
)
つては
何萬年前
(
なんまんねんまへ
)
であるか、にはかに
見當
(
けんとう
)
がつかないくらゐです。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
あの通り正直で
律義
(
りちぎ
)
で自分から脳の鈍いのを
言立
(
いいたて
)
て
外
(
ほか
)
の人より二倍も三倍も勉強するからああいう人が末に
至
(
いた
)
って大成するよ。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
ある
田舎
(
いなか
)
の山里に、
甚兵衛
(
じんべえ
)
という
馬方
(
うまかた
)
がいました。
至
(
いた
)
ってのんき者で、お金がある間はぶらぶら遊んでいまして、お金がなくなると働きます。
天下一の馬
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
独逸
(
どいつ
)
の
名高
(
なだか
)
い作者レツシングと
云
(
い
)
ふ人は、
至
(
いた
)
つて
粗忽
(
そそつか
)
しい
方
(
かた
)
で、
其上
(
そのうへ
)
法外
(
ばか
)
に忘れツぽいから、
無闇
(
むやみ
)
に
金子
(
かね
)
や
何
(
なに
)
かゞ
失
(
な
)
くなる
(洋)金の勘定を仕ずに来た
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
横穴
(
よこあな
)
の
中
(
なか
)
でも
格別
(
かくべつ
)
珍
(
めづ
)
らしい
構造
(
かうぞう
)
では
無
(
な
)
いが、
床
(
ゆか
)
と
溝
(
みぞ
)
とが
稍
(
やゝ
)
形式
(
けいしき
)
に
於
(
おい
)
て
異
(
こと
)
なつて
居
(
ゐ
)
る
位
(
くらゐ
)
で、
之
(
これ
)
を
信仰
(
しんかう
)
するに
至
(
いた
)
つては、
抱腹絶倒
(
はうふくぜつたう
)
せざるを
得
(
え
)
ない。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
此差
(
このさ
)
凡
(
およそ
)
二年
半餘
(
はんあまり
)
にして一月
計
(
ばかり
)
なるゆゑ、
其時
(
そのとき
)
に
至
(
いた
)
り
閏月
(
しゆんげつ
)
を
置
(
お
)
き十三ヶ月を一年となし、
地球
(
ちきう
)
の
進
(
すゝん
)
で
本
(
もと
)
の
處
(
ところ
)
に
行付
(
ゆきつく
)
を
待
(
まつ
)
なり。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
此頃
(
このごろ
)
に
於
(
おい
)
て
日本地震學界
(
につぽんぢしんがつかい
)
は
解散
(
かいさん
)
の
止
(
や
)
むなきに
至
(
いた
)
つたが、
新
(
あら
)
たにわが
政府事業
(
せいふじぎよう
)
として
起
(
おこ
)
された
震災豫防調査會
(
しんさいよぼうちようさかい
)
が
之
(
これ
)
に
代
(
かは
)
つた。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
平地の人のごとく多量に消費してはおられぬが、日本では山中に塩分を含む泉
至
(
いた
)
って多く、また食物の中にも塩気の不足を補うべきものがある。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
龐涓
(
はうけん
)
既
(
すで
)
に
魏
(
ぎ
)
に
事
(
つか
)
へ、
惠王
(
けいわう
)
の
將軍
(
しやうぐん
)
と
爲
(
な
)
るを
得
(
え
)
て、
自
(
みづか
)
ら
以爲
(
おも
)
らへく
(一五)
能
(
のう
)
・
孫臏
(
そんびん
)
に
及
(
およ
)
ばずと、
乃
(
すなは
)
ち
陰
(
ひそか
)
に((人ヲシテ))
孫臏
(
そんびん
)
を
召
(
め
)
さしむ。
臏
(
ひん
)
至
(
いた
)
る。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
火影
(
ほかげ
)
を
片頬
(
かたほゝ
)
に
受
(
う
)
けた
妻
(
つま
)
の
顔
(
かほ
)
は、
見恍
(
みと
)
れるばかりに
綺麗
(
きれい
)
である。
頬
(
ほゝ
)
もポーツと
桜色
(
さくらいろ
)
にぼかされて、
髪
(
かみ
)
も
至
(
いた
)
つて
艶
(
つやゝ
)
かである。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「先生、そんな気の弱いことでは、駄目じゃありませんか。敵の手に
至
(
いた
)
らず、まだ逃げていくところが残っていますぞ」
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
これから
後
(
のち
)
、
室町時代
(
むろまちじだい
)
から
時
(
とき
)
が
過
(
す
)
ぎて
江戸
(
えど
)
の
時代
(
じだい
)
に
至
(
いた
)
るまで、そんなに
勝
(
すぐ
)
れた
歌人
(
かじん
)
は、
多
(
おほ
)
くは
出
(
で
)
てまゐりませんでした。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
おつぎは
又
(
また
)
手
(
て
)
で
抑
(
おさ
)
へた
卯平
(
うへい
)
の
頭部
(
とうぶ
)
に
疑
(
うたが
)
ひの
目
(
め
)
を
注
(
そゝ
)
いで、二
人
(
にん
)
の
悲
(
かな
)
しむべき
記念
(
かたみ
)
におもひ
至
(
いた
)
つた。おつぎは
其
(
そ
)
の
原因
(
げんいん
)
を
追求
(
つゐきう
)
して
聞
(
き
)
かうとはしなかつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「
今日
(
きょう
)
にも、
持
(
も
)
って
上
(
あ
)
がろうと
思
(
おも
)
っていたのでございます。たびたびお
出
(
で
)
かけを
願
(
ねが
)
って、まことに
恐縮
(
きょうしゅく
)
の
至
(
いた
)
りにぞんじます。」と、
主人
(
しゅじん
)
はいいました。
殿さまの茶わん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして
其後
(
そのご
)
、
現在
(
げんざい
)
に
至
(
いた
)
るまで、
此
(
こ
)
の
本統
(
ほんたう
)
のコスモポリニズムは
私
(
わたし
)
の
心中
(
しんちう
)
に
層
(
そう
)
一
層
(
そう
)
の
徹底
(
てつてい
)
を
爲
(
な
)
し
來
(
きた
)
つてゐるのである。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
從
(
したがつ
)
て
此
(
この
)
獲得
(
くわくとく
)
した
金
(
かね
)
が
本年
(
ほんねん
)
の
輸入時期
(
ゆにふじき
)
に
至
(
いた
)
つて
拂出
(
はらひだ
)
して
減少
(
げんせう
)
しても、
下半期
(
しもはんき
)
の
輸出超過
(
ゆしゆつてうくわ
)
の
時期
(
じき
)
に
又
(
また
)
再
(
ふたゝ
)
び
之
(
これ
)
を
取返
(
とりかへ
)
すことが
出來
(
でき
)
れば、
非常
(
ひじやう
)
な
仕合
(
しあは
)
せである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
寝巻も
至
(
いた
)
って粗末で、取乱し放題に乱しているのは、中年女の覚悟の
体
(
てい
)
ではなく、窓の方
二間
(
にけん
)
も先へ放り出した短刀とともに、一つ一つが疑問の種です。
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
余
(
よ
)
は
現時
(
げんじ
)
人
(
ひと
)
より
羨
(
うらや
)
まるゝ
程
(
ほど
)
の
健康
(
けんかう
)
を
保
(
たも
)
ち
居
(
を
)
れども、
壯年
(
さうねん
)
の
頃
(
ころ
)
までは
體質
(
たいしつ
)
至
(
いた
)
つて
弱
(
よわ
)
く、
頭痛
(
づつう
)
に
惱
(
なや
)
まされ、
胃
(
ゐ
)
を
病
(
や
)
み、
屡
(
しば/\
)
風邪
(
ふうじや
)
に
犯
(
をか
)
され、
絶
(
た
)
えず
病
(
やまひ
)
の
爲
(
ため
)
に
苦
(
くるし
)
めり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
ウィリアム
第
(
だい
)
一
世
(
せい
)
、
其人
(
そのひと
)
の
立法
(
りつぱふ
)
は
羅馬
(
ローマ
)
法皇
(
はふわう
)
の
御心
(
みこゝろ
)
に
愜
(
かな
)
ひ、
忽
(
たちま
)
ちにして
首領
(
しゆれう
)
の
必要
(
ひつえう
)
ありし
英人
(
えいじん
)
の
從
(
したが
)
ふ
所
(
ところ
)
となり、
近
(
ちか
)
くは
纂奪
(
さんだつ
)
及
(
およ
)
び
征服
(
せいふく
)
を
恣
(
ほしひまゝ
)
にするに
至
(
いた
)
りました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
去
(
さ
)
れど目科は妻ある身に不似合なる不規則
千万
(
せんばん
)
の身持にて或時は朝
猶
(
なお
)
暗き内に家を
出
(
いず
)
るかと思えば或時は夜通し帰り
来
(
きた
)
らず又人の皆
寝鎮
(
ねしずま
)
りたる
後
(
のち
)
に
至
(
いた
)
り細君を
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
伊太利に遅れること三艇身、千五百メエトルに
至
(
いた
)
るや、
懸隔益々甚
(
けんかくますますはなは
)
だしく、英国と伊太利が二艇身半の差、日本は三艇身遅れて続き、
更
(
さら
)
にブラジルが後を追う。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
落
(
おち
)
つけ、落つけ——とか、こんなときアセってはならぬぞ——とか、そんな文句を「日記」の
至
(
いた
)
るところに書き散らし、心の底でも必死に叫んでいるのであるが
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
この
少年
(
せうねん
)
は
數學
(
すうがく
)
は
勿論
(
もちろん
)
、
其他
(
そのた
)
の
學力
(
がくりよく
)
も
全校
(
ぜんかう
)
生徒中
(
せいとちゆう
)
、
第
(
だい
)
二
流
(
りう
)
以下
(
いか
)
であるが、
畫
(
ゑ
)
の
天才
(
てんさい
)
に
至
(
いた
)
つては
全
(
まつた
)
く
並
(
なら
)
ぶものがないので、
僅
(
わづか
)
に
壘
(
るゐ
)
を
摩
(
ま
)
さうかとも
言
(
い
)
はれる
者
(
もの
)
は
自分
(
じぶん
)
一
人
(
にん
)
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
幾分
安堵
(
あんど
)
の
思
(
おも
)
いをなし、室内に
閑居
(
かんきょ
)
するに
至
(
いた
)
るや、予が意気豪ならざる故といわんか、
将
(
は
)
た人情の免れざる所ならんか、今までは
暇
(
いとま
)
なくて絶えて心に浮ばざりし事も
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
たといこれを
拒絶
(
きょぜつ
)
するも
真実
(
しんじつ
)
国と国との
開戦
(
かいせん
)
に
至
(
いた
)
らざるは
請合
(
うけあ
)
いなりとて
頻
(
しき
)
りに
拒絶論
(
きょぜつろん
)
を
唱
(
とな
)
えたれども、幕府の当局者は彼の
権幕
(
けんまく
)
に
恐怖
(
きょうふ
)
して
直
(
ただち
)
に
償金
(
しょうきん
)
を
払
(
はら
)
い
渡
(
わた
)
したり。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
東京
(
とうきよう
)
では
一月
(
いちがつ
)
中旬
(
ちゆうじゆん
)
に
蕾
(
つぼみ
)
を
開
(
ひら
)
き
初
(
はじ
)
め、
二月
(
にがつ
)
に
至
(
いた
)
つて
滿開
(
まんかい
)
し、
三月
(
さんがつ
)
の
上旬
(
じようじゆん
)
まで
花
(
はな
)
を
開
(
ひら
)
きつゞけてゐます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
いろ/\の
厚
(
あつ
)
き
待遇
(
もてなし
)
を
受
(
う
)
けた
後
(
のち
)
、
夜
(
よる
)
の八
時
(
じ
)
頃
(
ごろ
)
になると、
當家
(
たうけ
)
の
番頭
(
ばんとう
)
手代
(
てだい
)
をはじめ
下婢
(
かひ
)
下僕
(
げぼく
)
に
至
(
いた
)
るまで、
一同
(
いちどう
)
が
集
(
あつま
)
つて
送別
(
そうべつ
)
の
催
(
もようし
)
をする
相
(
さう
)
で、
私
(
わたくし
)
も
招
(
まね
)
かれて
其
(
その
)
席
(
せき
)
へ
連
(
つら
)
なつた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
失
(
うしな
)
はれゆく
感覚
(
かんかく
)
と
懸命
(
けんめい
)
に
闘
(
たゝか
)
ひながら、
死
(
し
)
に
至
(
いた
)
るまで、
守
(
まも
)
り
通
(
とほ
)
した
党
(
たう
)
の
名
(
な
)
をとぎれ/\に
呼
(
よ
)
んだ
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
生来
(
うまれつき
)
、
頭脳
(
あたま
)
はそんなに悪いとは思いませんけれど、
至
(
いた
)
って挙動が鈍く手先が不器用ですから、小学校時代には「のろま」中学校時代には「
愚図
(
ぐず
)
」という月並な
綺名
(
あだな
)
を貰いました。
痴人の復讐
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
我
(
わ
)
れ
主
(
しゆ
)
に
倚
(
よ
)
り、
主
(
しゆ
)
我
(
わ
)
れに
宿
(
やど
)
る
時
(
とき
)
は我は
勉
(
つと
)
めずして光を
放
(
はな
)
つなり、而して
世
(
よ
)
は
我
(
われ
)
より出る
主
(
しゆ
)
の
光
(
ひかり
)
を
見
(
み
)
て
我
(
われ
)
を
信
(
しん
)
ぜずして
主
(
しゆ
)
を
信
(
しん
)
ずるに
至
(
いた
)
る、
是
(
こ
)
れ
余
(
よ
)
の
信
(
しん
)
ずる
基督教的
(
きりすとけうてき
)
伝道
(
でんだう
)
なる者なり。
問答二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
吉野川ながるる
也
(
なり
)
両岸は大なる岩なり岩の高さ五間ばかり
屏風
(
びょうぶ
)
を立たるごとし両岸の間川の広さ三間ばかりせばき所に橋あり大河ここに
至
(
いた
)
ってせばきゆえ河水
甚
(
はなはだ
)
深しその景絶妙
也
(
なり
)
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
隴
(
ろう
)
を
得
(
え
)
て
蜀
(
しよく
)
を
望
(
のぞ
)
むは
夫
(
そ
)
れ
人情
(
にんじやう
)
の
常
(
つね
)
なるかも、
百
(
ひやく
)
に
至
(
いた
)
れば
千
(
せん
)
をと
願
(
ねが
)
ひ
千
(
せん
)
にいたれば
又
(
また
)
萬
(
まん
)
をと
諸願
(
しよぐわん
)
休
(
やす
)
む
時
(
とき
)
なければ
心
(
こゝろ
)
常
(
つね
)
に
安
(
やす
)
からず、つら/\
思
(
おも
)
へば
無一物
(
むいちぶつ
)
ほど
氣樂
(
きらく
)
なるはあらざるべし
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
航海中より
彼地
(
かのち
)
に
至
(
いた
)
りて
滞在
(
たいざい
)
僅々
(
きんきん
)
数箇月なるも、
所見
(
しょけん
)
所聞
(
しょぶん
)
一として
新
(
あらた
)
ならざるはなし。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
見せに
遣
(
つか
)
はされしに役人は
家主
(
いへぬし
)
徳兵衞を案内に庄兵衞が家を調べんと
至
(
いた
)
り見しに此節女房は
傷寒
(
しやうかん
)
にて打臥
床
(
とこ
)
に着しまゝ立居も
出來
(
でき
)
ぬ體なり斯る所へ家主の案内にて
役人
(
やくにん
)
入り來り
家搜
(
やさが
)
しを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
富士見坂
(
ふじみざか
)
の上、ちょうど
花見寺
(
はなみでら
)
の裏山にあたるので、
至
(
いた
)
って見晴しのいい場所。
平賀源内捕物帳:萩寺の女
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
その度毎に明
暗
(
あん
)
、
悲喜
(
ひき
)
こもごも
至
(
いた
)
る二人の
顏
(
かほ
)
附たるやお
察
(
さつ
)
しに任せる次第だ。
下手の横好き:―将棋いろいろ―
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
後
(
あと
)
で
聞
(
き
)
けば、
何
(
なん
)
でも
太平洋汽船会社
(
たいへいやうきせんぐわいしや
)
と
税関
(
ぜいくわん
)
だか
桟橋会社
(
さんばしぐわいしや
)
だかとの
間
(
あひだ
)
に、
前々
(
まへ/\
)
からひどい
確執
(
かくしつ
)
があつて、
之
(
これ
)
が
為
(
ため
)
に
船
(
ふね
)
の
著
(
つ
)
くのも
遅
(
おそ
)
くなれば、
灯光
(
あかり
)
一
(
ひと
)
つない
桟橋
(
さんばし
)
の
中
(
なか
)
に
人
(
ひと
)
を
立
(
た
)
たせるにも
至
(
いた
)
つたのだといふ。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
梵天宮
(
ぼんてんきう
)
に
至
(
いた
)
り
給
(
たま
)
ひし
富士
(
ふじ
)
の
峯
(
みね
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
これは
恐縮
(
きようしゆく
)
の
至
(
いた
)
りです
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
港八九は
成就
(
じょうじゅ
)
に
至
(
いたり
)
候得共
(
そうらえども
)
前度
(
せんど
)
殊
(
こと
)
の
外
(
ほか
)
入口
六ヶ敷候
(
むずかしくそうろう
)
に付
増夫
(
ましぶ
)
入而
(
いれて
)
相支候得共
(
あいささえそうらえども
)
至而
(
いたって
)
難題至極と
申
(
もうし
)
此上は武士之道之心得にも御座
候得
(
そうらえ
)
ば神明へ
捧命
(
ほうめい
)
申処
(
もうすところ
)
の
誓言
(
せいげん
)
則
(
すなわち
)
御見分の
通
(
とおり
)
遂
二
本意
一
ほんいとげ
候事
(
そうろうこと
)
一日千秋の
大悦
(
たいえつ
)
拙者
(
せっしゃ
)
本懐
(
ほんかい
)
之
至
(
いた
)
り死後御推察
可
レ
被
レ
下
くださるべく
候
(
そうろう
)
不具
(
ふぐ
)
海神に祈る
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
可笑
(
をかしき
)
事
可憐
(
あはれ
)
なる事
可怖
(
おそろし
)
き事
種々
(
しゆ/″\
)
さま/″\
筆
(
ふで
)
に
尽
(
つく
)
しがたし。やう/\
東雲
(
しのゝめ
)
の
頃
(
ころ
)
に
至
(
いた
)
りて、水も
落
(
おち
)
たりとて
諸人
(
しよにん
)
安堵
(
あんど
)
のおもひをなしぬ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“至”の意味
《名詞》
(context、units of measure)数量を表す単位。1至は1035494216806390423141907689750528を表す。
(出典:Wiktionary)
至
常用漢字
小6
部首:⾄
6画
“至”を含む語句
至当
乃至
至極
大至急
至誠
冥加至極
至難
至當
必至
奇怪至極
至急
尤至極
至情
至善
至親
至要
至願
卑怯至極
夏至祭
四至
...