トップ
>
致
>
いた
ふりがな文庫
“
致
(
いた
)” の例文
「それなら善は急げというから、
明日
(
あした
)
にも
出立
(
しゅったつ
)
しよう。」と、言いました。そしてその晩は、みんなで色々出立の用意を
致
(
いた
)
しました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
灰色にしてややつめたく、
透明
(
とうめい
)
なるところの気分である。さればまことに豚の心もちをわかるには、豚になって見るより
致
(
いた
)
し方ない。
フランドン農学校の豚
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
能く心して
生活
(
なりわい
)
の道を治めよ、と
苦
(
ねんご
)
ろに説き示しければ、弟はこれを
口惜
(
くちおし
)
く思ひてその
後
(
のち
)
生活の道に心を用ひ、
漸
(
ようや
)
く富を
致
(
いた
)
しけるが
印度の古話
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
現界
(
げんかい
)
の
景色
(
けしき
)
と
比
(
くら
)
べて
別
(
べつ
)
に
格段
(
かくだん
)
の
相違
(
そうい
)
もありませぬが、ただこちらの
景色
(
けしき
)
の
方
(
ほう
)
がどことなく
浄
(
きよ
)
らかで、そして
奥深
(
おくふか
)
い
感
(
かん
)
じが
致
(
いた
)
しました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
〔譯〕民の
義
(
ぎ
)
に因つて以て之を
激
(
げき
)
し、民の
欲
(
よく
)
に因つて以て之を
趨
(
はし
)
らさば、則ち民其の生を
忘
(
わす
)
れて其の死を
致
(
いた
)
さん。是れ以て一
戰
(
せん
)
す可し。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
▼ もっと見る
どうしても君が嫌だと云えば、
致
(
いた
)
し方がないけれども、こういう誤解や
邪推
(
じゃすい
)
に出発したことで君と喧嘩したりするのは、僕は嫌だ。
虚構の春
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
(前略)余はふとした機会で思はしき手頃の土地見当りし
故
(
ゆゑ
)
、今冬より満四ヶ年の契約にて借受け、試み
旁々
(
かた/″\
)
事業着手のことに
致
(
いた
)
し
候
(
さふろふ
)
。
新らしき祖先
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
手
(
て
)
がないものだから、つい
遲
(
おそ
)
くなりまして
御氣
(
おき
)
の
毒
(
どく
)
です。すぐ
御膳
(
ごぜん
)
に
致
(
いた
)
しませう。
然
(
しか
)
しこんな
所
(
ところ
)
だから
上
(
あ
)
げるものがなくつて
困
(
こま
)
ります。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
丁度
(
ちょうど
)
声
(
こえ
)
を
高
(
たか
)
めて
命令
(
めいれい
)
などは
决
(
けっ
)
して
致
(
いた
)
さぬと、
誰
(
たれ
)
にか
誓
(
ちかい
)
でも
立
(
た
)
てたかのように、くれとか、
持
(
も
)
って
来
(
こ
)
いとかとはどうしても
言
(
い
)
えぬ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其
(
そ
)
の
時
(
とき
)
畑
(
はた
)
には
刷毛
(
はけ
)
の
先
(
さき
)
でかすつた
樣
(
やう
)
に
麥
(
むぎ
)
や
小麥
(
こむぎ
)
で
仄
(
ほのか
)
に
青味
(
あをみ
)
を
保
(
たも
)
つて
居
(
ゐ
)
る。それから
冬
(
ふゆ
)
は
又
(
また
)
百姓
(
ひやくしやう
)
をして
寂
(
さび
)
しい
外
(
そと
)
から
專
(
もつぱ
)
ら
内
(
うち
)
に
力
(
ちから
)
を
致
(
いた
)
させる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
このたびはソノ
三題話
(
さんだいばなし
)
の
流行
(
はや
)
つた
時分
(
じぶん
)
に
出来
(
でき
)
ました
落語
(
はなし
)
で、第一が
大仏餅
(
だいぶつもち
)
、次が
袴着
(
はかまぎ
)
の
祝
(
いはひ
)
、
乞食
(
こつじき
)
、と
云
(
い
)
ふ
三題話
(
さんだいばなし
)
を、
掲載
(
だ
)
すことに
致
(
いた
)
しました。
大仏餅。袴着の祝。新まへの盲目乞食
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
が、
草
(
くさ
)
や
竹
(
たけ
)
の
落葉
(
おちば
)
は、一
面
(
めん
)
に
踏
(
ふ
)
み
荒
(
あら
)
されて
居
(
を
)
りましたから、きつとあの
男
(
をとこ
)
は
殺
(
ころ
)
される
前
(
まへ
)
に、
餘程
(
よほど
)
手痛
(
ていた
)
い
働
(
はたら
)
きでも
致
(
いた
)
したのに
違
(
ちが
)
ひございません。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ああ! どうぞ
勘弁
(
かんべん
)
して
下
(
くだ
)
さい!」と
男
(
おとこ
)
が
答
(
こた
)
えた。「
好
(
す
)
き
好
(
この
)
んで
致
(
いた
)
した
訳
(
わけ
)
ではございません。
全
(
まった
)
くせっぱつまって
余儀
(
よぎ
)
なく
致
(
いた
)
しましたのです。 ...
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
留守であったから
致
(
いた
)
し方もないと、別に不足もいわずにすましはしても、何となく頼み
甲斐
(
がい
)
のないような気持ちがします。
女中訓
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
「
私
(
わたし
)
がこの
國
(
くに
)
で
生
(
うま
)
れたものでありますならば、お
宮仕
(
みやづか
)
へも
致
(
いた
)
しませうけれど、さうではございませんから、お
連
(
つ
)
れになることはかなひますまい」
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
きり/\と
卷上
(
まきあぐ
)
れば御城代堀田相摸守殿
平伏
(
へいふく
)
致
(
いた
)
され少し
頭
(
かしら
)
を上て恐れ乍ら今般
如何
(
いかゞ
)
なる事ゆゑ
御上坂
(
ごじやうはん
)
町奉行へ
御屆
(
おんとゞけ
)
もなく
理不盡
(
りふじん
)
に
御紋付
(
ごもんつき
)
の御幕を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
英国公使アールコックに自分の
愛妾
(
あいしょう
)
まで与え許している、堀織部はそれを
苦諫
(
くかん
)
しても用いられないので、
刃
(
やいば
)
に伏してその意を
致
(
いた
)
したというのだ。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
侍童
御方
(
おんかた
)
の
墓
(
はか
)
へ
撒
(
まか
)
うとて
花
(
はな
)
を
持
(
も
)
ってわせられました。
遠
(
とほ
)
くへ
離
(
はな
)
れてゐいと
仰
(
おほ
)
せられましたゆゑ、
僕
(
わたくし
)
はさやう
致
(
いた
)
しました。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
ええ——ご当地へ参りましたのは初めてでござりますが、当商会はビンツケをもって
蟇
(
がま
)
の
膏薬
(
こうやく
)
かなんぞのようなまやかしものはお売り
致
(
いた
)
しませぬ。
風琴と魚の町
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
私
(
わたし
)
はもう
今宵
(
こよひ
)
かぎり
何
(
ど
)
うしても
歸
(
かへ
)
る
事
(
こと
)
は
致
(
いた
)
しませぬとて、
斷
(
た
)
つても
斷
(
た
)
てぬ
子
(
こ
)
の
可憐
(
かわゆ
)
さに、
奇麗
(
きれい
)
に
言
(
い
)
へども
詞
(
ことば
)
はふるへぬ。
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
昨日
(
さくじつ
)
父より帰国しろという手紙を受取り候う時は、とっさにはぼんやり
致
(
いた
)
し
居
(
お
)
り
候
(
そうら
)
いしかど、ようやくにして悲しさ申しわけなさに泣き申し候う。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
老叟
(
らうそう
)
は
靜
(
しづ
)
かに石を
撫
(
な
)
でゝ、『
我家
(
うち
)
の石が
久
(
ひさし
)
く
行方
(
ゆきがた
)
知
(
しれ
)
ずに居たが先づ/\
此處
(
こゝ
)
にあつたので
安堵
(
あんど
)
しました、それでは
戴
(
いたゞ
)
いて
歸
(
かへ
)
ることに
致
(
いた
)
しましよう。』
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
問題
(
もんだい
)
は
各自
(
かくじ
)
その
懷抱
(
くわいほう
)
する
所
(
ところ
)
を
遠慮
(
えんりよ
)
なく
披瀝
(
ひれき
)
した
處
(
ところ
)
のものが、
所謂
(
いはゆる
)
建築
(
けんちく
)
の
根本義
(
こんぽんぎ
)
の
解決
(
かいけつ
)
に
對
(
たい
)
して
如何
(
いか
)
なる
暗示
(
あんじ
)
を
與
(
あた
)
へるか、
如何
(
いか
)
なる
貢献
(
こうけん
)
を
致
(
いた
)
すかである。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
今
(
いま
)
持合
(
もちあは
)
してゐませんけど、それくらいで
宜
(
よろ
)
しいのならいつでもお
払
(
はら
)
ひしますから、どうぞ
石屋
(
いしや
)
へ、
御面倒
(
ごめんだう
)
でもお
話
(
はなし
)
して
下
(
くだ
)
さいませんか。お
願
(
ねが
)
ひ
致
(
いた
)
します。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
横井は実学を唱う、物に
格
(
いた
)
りて知を
致
(
いた
)
すは、彼が学問の
功夫
(
くふう
)
なりといえども、彼の彼たる所以は、「神智霊覚湧きて泉の如き」直覚的大
活眼
(
かつがん
)
にあるなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
むろん、根のないものを根があるように信じこんでいた私の愚かさは、笑われても
致
(
いた
)
し方ありません。
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
神職 (
吻
(
ほっ
)
と息して)——千慮の一失。ああ、
致
(
いた
)
しようを
過
(
あやま
)
った。かえって淫邪の鬼の
形相
(
ぎょうそう
)
を火で明かに映し出した。これでは
御罰
(
ごばつ
)
のしるしにも、いましめにもならぬ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
佐助は我が眼前
朦朧
(
もうろう
)
として物の形の
次第
(
しだい
)
に見え分かずなり行きし時、
俄盲目
(
にわかめくら
)
の
怪
(
あや
)
しげなる足取りにて春琴の前に至り、
狂喜
(
きょうき
)
して
叫
(
さけ
)
んで曰く、師よ、佐助は失明
致
(
いた
)
したり
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
食物
(
しよくもつ
)
の
事
(
こと
)
に
就
(
つい
)
て、
少
(
すこ
)
し
感
(
かん
)
じた
事
(
こと
)
が
有
(
あ
)
りますから
貴婦人方
(
あなたがた
)
に
御噺
(
おはな
)
し
致
(
いた
)
しますが、
今
(
いま
)
宮本
(
みやもと
)
さんから、
段々
(
だん/\
)
の
御噺
(
おはな
)
しが
有
(
あ
)
ツて、
兒護婦
(
こもり
)
の
不注意
(
ふちうい
)
より、
子供
(
こども
)
が
種々
(
しゆ/″\
)
の
者
(
もの
)
を
飮
(
の
)
み
込
(
こ
)
み
手療法一則:(二月例会席上談話)
(旧字旧仮名)
/
荻野吟子
(著)
火急に酒脯銭財を郊に
致
(
いた
)
し、祭り、三たびその名を呼ぶと、玄石白馬に乗り、朱衣を
著
(
つ
)
け、
冠蓋
(
かんがい
)
前後騎従数十人、別に二人の青衣あって節を執って前引し、
呵殿
(
かでん
)
して来り
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「えゝ私は、
晩寝郡
(
おそねごおり
)
、
早起村
(
はやおきむら
)
、
濡垂
(
ぬれたら
)
拭兵衛
(
ふくべえ
)
と申しますが、その、私の
弟
(
おとうと
)
が
発狂
(
はっきょう
)
致
(
いた
)
しまして……」
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
恋と慾を両
天秤
(
てんびん
)
にかけて、彼女の愛と短刀を
併
(
あわ
)
せて手にいれようとした日本左衛門の計画は、そッくりそのまま、反対に、お蝶の方から
致
(
いた
)
された形になってしまいました。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
前にあげた盗を
患
(
うれ
)
うる問答もここに並んでいるのである。これら一切の問答を通じて、季康子が晩年の孔子に敬を
致
(
いた
)
した政治家であったことは認めてよいであろう。従って
孔子
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
それ
迄
(
まで
)
は、これから、向島の待合に行って、芸者と遊んだ末、無理心中でもしようかという虫の良い
了見
(
りょうけん
)
も起しかけていたのですが、ハッと冷水をかけられた気が
致
(
いた
)
しました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
堀部安兵衛も同宿の毛利小平太、横川勘平を代表して、その席に
列
(
つら
)
なった。で、ひととおり読経と
焼香
(
しょうこう
)
がすんだ後、白銀三枚を包んで寺僧に
致
(
いた
)
して、一同別席でお
斎
(
とき
)
についた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
『
吾等
(
われら
)
は
之
(
これ
)
より
一定
(
いつてい
)
の
職務
(
しよくむ
)
があるので、
暫時
(
しばらく
)
失敬
(
しつけい
)
、
君等
(
きみら
)
は
後
(
のち
)
に
靜
(
しづか
)
に
休息
(
きうそく
)
し
玉
(
たま
)
へ、
私
(
わたくし
)
は八
時
(
じ
)
※
(
すぎ
)
再
(
ふたゝ
)
び
皈
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
て、
晩餐
(
ばんさん
)
をば
共
(
とも
)
に
致
(
いた
)
しませう。』と
言
(
い
)
ひ
殘
(
のこ
)
して
何處
(
いづく
)
ともなく
立去
(
たちさ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その土地の内に
産
(
さん
)
する
生糸
(
きいと
)
は一切
他
(
た
)
に
出
(
いだ
)
さずして政府の手より仏国人に
売渡
(
うりわた
)
さるるよう
致
(
いた
)
し
度
(
た
)
し、
御承知
(
ごしょうち
)
にてもあらんが仏国は世界第一の
織物国
(
おりものこく
)
にして生糸の
需用
(
じゅよう
)
甚
(
はなは
)
だ
盛
(
さかん
)
なれば
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
あれは
全
(
まった
)
くのところ、きりょう
好
(
よ
)
しではございませぬ。しかし
誠
(
まこと
)
に
善
(
よ
)
い
性質
(
せいしつ
)
をもっておりますし、
泳
(
およ
)
ぎをさせますと、
他
(
ほか
)
の
子達
(
こたち
)
くらい、——いやそれよりずっと
上手
(
じょうず
)
に
致
(
いた
)
します。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「そうまで仰せられる殿のお言葉をお受け
致
(
いた
)
さずばかえって不忠、参ることに致します」
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
自己のうちへ沈むものは飾りを示すべき相手をもたないから、飾らないのである。
豊太閤
(
ほうたいこう
)
は、自己を朝鮮にまでも主張する性情に基づいて、桃山時代の
豪華燦爛
(
ごうかさんらん
)
たる文化を
致
(
いた
)
した。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
『玉藻』七月号「虚子俳話」——真ということ——拝読
致
(
いた
)
しました。真を追及すれば美というものがこれに
従
(
つ
)
いて来るということを否定された先生の論に眼を
瞠
(
みは
)
ったものであります。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
(九四)
曠日
(
くわうじつ
)
彌久
(
びきう
)
して
(九五)
周澤
(
しうたく
)
既
(
すで
)
に
渥
(
あつ
)
きを
得
(
え
)
ば、
深
(
ふか
)
く
計
(
はか
)
るも
疑
(
うたが
)
はれず、
交〻
(
こもごも
)
爭
(
あらそ
)
ふも
罪
(
つみ
)
せられず、
廼
(
すなは
)
ち
明
(
あきらか
)
に
利害
(
りがい
)
を
計
(
はか
)
りて
以
(
もつ
)
て
其功
(
そのこう
)
を
致
(
いた
)
し、
直
(
ただ
)
ちに
是非
(
ぜひ
)
を
指
(
さ
)
して
以
(
もつ
)
て
(九六)
其身
(
そのみ
)
を
飾
(
かざ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
退出候後、
林外記
(
はやしげき
)
殿、藤崎作左衛門殿を御使として
遣
(
つかわ
)
され後々の事心配
致
(
いた
)
すまじき
旨
(
むね
)
仰
(
おお
)
せられ、御歌を下され、又京都へ参らば、万事古橋小左衛門と相談して執り行えと
懇
(
ねんごろ
)
に仰せられ候。
興津弥五右衛門の遺書
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
一献酌もうとは
有難
(
ありがた
)
い、
是非
(
ぜひ
)
お
供
(
とも
)
致
(
いた
)
したい、
早速
(
さっそく
)
お供致したい。だが念の
為
(
た
)
めに申して置くが、私には金はない、実は長崎から出て末たばかりで、塾で修業するその学費さえ
甚
(
はなは
)
だ怪しい。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私は
瓦斯
(
ガス
)
ランプに火を点じて検眼鏡を取り出し、患者と差向いで、その両眼を検査
致
(
いた
)
しましたところが、例の通り私の検査が至って手
遅
(
のろ
)
いので、彼女は
三叉
(
さんさ
)
神経痛の発作も加わったと見え
痴人の復讐
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「昭公が、いま、別の生涯あるを知ったのは、永い間、生飯を
施
(
ほどこ
)
した鯉魚の
功徳
(
くどく
)
の報いだ。昭公に過ちがあったのは、わしの不徳の
致
(
いた
)
すところだ。まあ、この辺で事件は落着にしてもらいたい」
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ほほう これはわしの大
好物
(
かうぶつ
)
でして ひとつちやうだい
致
(
いた
)
しませう
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
これは参考とすべきものがなかったから
致
(
いた
)
し
方
(
かた
)
ありません。
幕末維新懐古談:68 楠公銅像の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
これ
平生
(
へいぜい
)
食物問題に不注意なるの
致
(
いた
)
す所にあらずや。
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
『
私
(
わたし
)
は
致
(
いた
)
しません』と
猫
(
ねこ
)
がお
斷
(
ことは
)
り
申
(
まを
)
し
上
(
あ
)
げました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
致
常用漢字
中学
部首:⾄
10画
“致”を含む語句
一致
合致
致候
馴致
拉致
致命的
致命傷
縹致
筆致
標致
誘致
致方
極致
招致
致度
姿致
言文一致
致居
長田忠致
不可致
...