“筆致”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
ひっち50.0%
ひつち33.3%
ふでつき16.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余は書においては皆無鑒識かいむかんしきのない男だが、平生から、黄檗おうばく高泉和尚こうせんおしょう筆致ひっちを愛している。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は此種の筆致ひっちを解剖して第二番目に遠くに聞こえる物売の声だの、ハーモニカの節だの、按摩あんまふえの音だのを挙げたいと思います。
木下杢太郎『唐草表紙』序 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
筆致ひつちたしかなてん全體ぜんたいき/\してゐるところ、じつにこれがそんなふる一萬年前いちまんねんぜんにもちか時代じだい出來できたものであらうかと、たれうたがふのもむりはありません。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
里見さんのは確か修善しゆぜん寺あたりの球突塲たまつきば題材だいざいにしたもので、そこにあつまつてくる温泉客おんせんきやくや町の常連ぜうれんの球突振つきふりそのものをれいの鮮かな筆致ひつちゑがいてあつたかとおもふ。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
象牙のへらを結び付けた暗褐色の紐を解いて巻物をすこしばかり開くと、紫黒色の紙に金絵具きんえのぐで、右上から左下へ波紋を作って流れて行く水が描いてあるが、非常に優雅な筆致ふでつきに見えた。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……その死美人の腐敗して行く姿を、次から次へと丹念に写して行くうちに呉青秀は、何ともいえない快感を受け初めたのだ。画像の初めから終りへかけて、次から次へと細かく冴えて行っているその筆致ふでつきを見てもわかる。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)