“即非”の読み方と例文
読み方割合
そくひ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
まつみきめたやうあかいのが、かへして幾本いくほんとなくなら風情ふぜいたのしんだ。あるとき大悲閣だいひかくのぼつて、即非そくひがくした仰向あふむきながら、谷底たにそこながれくだおといた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
松の幹の染めたように赤いのが、日を照り返して幾本となく並ぶ風情ふぜいを楽しんだ。ある時は大悲閣だいひかくへ登って、即非そくひの額の下に仰向あおむきながら、谷底の流をくだの音を聞いた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
余は書においては皆無鑒識かいむかんしきのない男だが、平生から、黄檗おうばく高泉和尚こうせんおしょう筆致ひっちを愛している。隠元いんげん即非そくひ木庵もくあんもそれぞれに面白味はあるが、高泉こうせんの字が一番蒼勁そうけいでしかも雅馴がじゅんである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)