“蒼勁”の読み方と例文
読み方割合
そうけい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余は書においては皆無鑒識かいむかんしきのない男だが、平生から、黄檗おうばく高泉和尚こうせんおしょう筆致ひっちを愛している。隠元いんげん即非そくひ木庵もくあんもそれぞれに面白味はあるが、高泉こうせんの字が一番蒼勁そうけいでしかも雅馴がじゅんである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
晩年には益々ますます老熟して蒼勁そうけい精厳を極めた。それにもかかわらず容易に揮毫きごうの求めに応じなかった。ことに短冊へ書くのが大嫌いで、日夕親炙しんしゃしたものの求めにさえ短冊の揮毫は固く拒絶した。
鴎外博士の追憶 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
紅葉は蜀山人しょくさんじんを学んで、若い頃のは蜀山人以上に衒気げんき満々としていたが、晩年はスッカリ枯れ切って蒼勁そうけいとなった。蜀山人から出て蜀山人よりも力があって、何処どことなく豪快の風が現われていた。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)