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蒼勁
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そうけい
余は書においては
皆無鑒識のない男だが、平生から、
黄檗の
高泉和尚の
筆致を愛している。
隠元も
即非も
木庵もそれぞれに面白味はあるが、
高泉の字が一番
蒼勁でしかも
雅馴である。
晩年には
益々老熟して
蒼勁精厳を極めた。それにもかかわらず容易に
揮毫の求めに応じなかった。
殊に短冊へ書くのが大嫌いで、日夕
親炙したものの求めにさえ短冊の揮毫は固く拒絶した。
紅葉は
蜀山人を学んで、若い頃のは蜀山人以上に
衒気満々としていたが、晩年はスッカリ枯れ切って
蒼勁となった。蜀山人から出て蜀山人よりも力があって、
何処となく豪快の風が現われていた。