“筆誅”の読み方と例文
読み方割合
ひっちゅう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「焼芋を食うも蛇足だそくだ、割愛かつあいしよう」とついにこの句も抹殺まっさつする。「香一炷もあまり唐突とうとつだからめろ」と惜気もなく筆誅ひっちゅうする。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
十余年前銀座の表通にしきりにカフエーが出来はじめた頃、此に酔を買った事から、新聞と云う新聞はこぞってわたくしを筆誅ひっちゅうした。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
復讐の同盟に加わることを避けて、先君の追福と陰徳とに余生を送った大野九郎兵衛は、不忠なる元禄武士の一人として浄瑠璃の作者にまで筆誅ひっちゅうされてしまった。
磯部の若葉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)