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筆誅
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ひっちゅう
ふりがな文庫
“
筆誅
(
ひっちゅう
)” の例文
「焼芋を食うも
蛇足
(
だそく
)
だ、
割愛
(
かつあい
)
しよう」とついにこの句も
抹殺
(
まっさつ
)
する。「香一炷もあまり
唐突
(
とうとつ
)
だから
已
(
や
)
めろ」と惜気もなく
筆誅
(
ひっちゅう
)
する。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
十余年前銀座の表通に
頻
(
しきり
)
にカフエーが出来はじめた頃、此に酔を買った事から、新聞と云う新聞は
挙
(
こぞ
)
ってわたくしを
筆誅
(
ひっちゅう
)
した。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
復讐の同盟に加わることを避けて、先君の追福と陰徳とに余生を送った大野九郎兵衛は、不忠なる元禄武士の一人として浄瑠璃の作者にまで
筆誅
(
ひっちゅう
)
されてしまった。
磯部の若葉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
諸新聞は翌日、パリーのよき趣味によって罰せられた野卑なドイツ人を、いっしょになって
筆誅
(
ひっちゅう
)
した。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「うむ、あんまり臆病者がたくさん出るので、心外でたまらぬから、いちいち
筆誅
(
ひっちゅう
)
を加えてやった」
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
▼ もっと見る
社会はこれに向って制裁と打撃とを加えねば成らぬ。新聞記者は好んで人の私行を摘発するものではないが、社会に代ってそれらの人物を
筆誅
(
ひっちゅう
)
するに外ならないのであると。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
本社はさらに深く事件の真相を探知の上、大いにはりがねせい、ねずみとり氏に
筆誅
(
ひっちゅう
)
を加えんと欲す。と。ははは、ふん、これはもう疑いもない。ツェのやつめ、ねずみとりに食われたんだ。
クねずみ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「
筆誅
(
ひっちゅう
)
してやります」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それとなく
別盃
(
べっぱい
)
を
酌
(
く
)
むために行きたい気はしたが、新聞記者と文学者とに見られて又もや
筆誅
(
ひっちゅう
)
せられる事を恐れもするので
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「いえ、僕の兄の会社ばかりでなく、一列一体に
筆誅
(
ひっちゅう
)
して貰いたいと云う意味だ」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
また夏中は
隣家
(
となり
)
のラディオを聞かないようにする事や、それ等のためにまたしても銀座へ出かけはじめたのであるが、新聞と雑誌との
筆誅
(
ひっちゅう
)
を恐れて、裏通を歩くにも人目を忍び
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
筆
常用漢字
小3
部首:⽵
12画
誅
漢検1級
部首:⾔
13画
“筆”で始まる語句
筆
筆蹟
筆跡
筆硯
筆太
筆者
筆法
筆頭
筆墨
筆紙