“筆墨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひつぼく70.0%
ふですみ30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、ひるがえってみると、この山牢の中に、悠々と、そういう記録などを書き残しておく、筆墨ひつぼくなどはない筈である。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその後つねにこの椅子テーブルで彼は勉強していたのである。そのテーブルの上には教科書その他の書籍を丁寧ていねいに重ね、筆墨ひつぼくの類までけっして乱雑に置いてはない。
非凡なる凡人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
中に筆墨ふですみあきなう男がいた。背中へ荷をいっぱいしょって、二十日はつかなり三十日さんじゅうにちなり、そこら中回って歩いて、ほぼ売り尽してしまうと山へ帰って来て坐禅をする。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ついてはご自身で返事書きたき由仰せられ候まま御枕おんまくらもとへ筆墨ふですみの用意いたし候ところ永々ながながのご病気ゆえ気のみはあせりたまえどもお手がき候わず情けなき事よとおん嘆きありせめては代筆せよと仰せられ候間お言葉どおりを
遺言 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)