いた)” の例文
かくて曹彰はただ一人になって宮門に入り、兄の曹丕そうひに対面すると、共に手をとって、父の死をいたみかなしんだ。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹操は、帰京後も典韋の霊をまつり、子の典満てんまんを取りたてて、中郎に採用し、果てしなく彼の死をいたんでいた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浅野弥兵衛は、主人の秀吉に代って、このたびの池田家のいたみを、心からなぐさめて
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
正成の死は惜しむが、いまでも深く彼の死をいたんでいるが、正成の臣道よりは、自分の臣道のほうが、はるかに、てっしたものとおもっている。朝廷のおためにもよく、世のためだと信じていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『それも、おいたみあるな。お父上も、必ず御満足であったと思う』
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)