“悲愁”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かなしみ34.8%
ひしゅう30.4%
かなしび8.7%
ひしう8.7%
うれひ4.3%
なげき4.3%
ひしふ4.3%
トラウリッヒ4.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
少くとも世を楽しむメエテルリンクの悲愁かなしみ神秘ミスチツクな蒼い陰影の靄の中に寂しい心の在所ありかを探す物馴れぬ Stranger の心持、その心を私は慕ふ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
それもこれも、悲愁ひしゅうの裡に沈んでいる泥舟を励ますためであった。実際、泥舟に取っては、それも一つの悩みであったのである。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歡喜よろこびの、はた悲愁かなしびのかげひなた
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
幾年間いくねんかん女の身一人みひとつで生活と戦つて来たが、今は生命いのちひとしい希望の光もまつたく消えてしまつたのかと思ふとじつへられぬ悲愁ひしうおそはれる。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
尚よく見ると、言ふに言はれぬ恐怖おそれ悲愁うれひとが女らしい愛らしさに交つて、陰影かげのやうにあらはれたり、隠れたりする。何をお志保は考へたのだらう。何を感じたのだらう。何を思出したのだらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
悲愁なげき』はわか孕婦うぶめにて
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
すこしは声をくもらしたものゝ調子てうし長吉ちやうきちの満足するほどの悲愁ひしふを帯びてはゐなかつた。長吉ちやうきちしばらくしてからまた突然とつぜん
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
しかし、それは悲愁トラウリッヒではあるけれども、けっして悲壮トラギッシュではないのだ。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)