悲愁かなしみ)” の例文
少くとも世を楽しむメエテルリンクの悲愁かなしみ神秘ミスチツクな蒼い陰影の靄の中に寂しい心の在所ありかを探す物馴れぬ Stranger の心持、その心を私は慕ふ。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
顔はあをざめ、眼は悲愁かなしみの色をたゝへ、思ふことはあつても十分に其を言ひ得ないといふ風で——まあ、情が迫つて、別離わかれの言葉もとぎれ/\であつたことを話した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
されど魔もの、悲愁かなしみころもきて
(歌ふ)するど悲愁かなしみこゝろいた
われは悲愁かなしみつきがたく
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
さうしてあの天才のラムボオを嗾かして寂しい商人の群に駆り立てた怪しい宝石の心を、誘惑を、譬へやうもない美くしいその魅力を悲愁かなしみをよく知つてゐる。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
その真中ただなかにただひとつ、ぎすましたる悲愁かなしみ
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
官能の甘きうなじを捲きしむる悲愁かなしみかひなに似たり。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ともするとつかれきつた悲愁かなしみうらから
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
やがて遍路の悲愁かなしみに雲も騒立さわだ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
れつつもゆる悲愁かなしみ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
眩暈めくるめく悲愁かなしみはて
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)