“ひん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒン
語句割合
36.5%
36.1%
13.5%
3.0%
品格2.6%
2.2%
1.3%
0.9%
品位0.9%
0.9%
(他:5)2.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
(死にひんしている人間を前にして、道が何だ。音楽が何だ。そんなものは、行詰った揚句の自己欺瞞でしかないではないか。)
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
彼はいう、——先師全和尚入宋にっそうを企てた時に、その師叡山えいざんの明融阿闍梨あじゃりが重病で死にひんした。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ひげひんの好い鼻の下に、——と云ふよりも薄い唇の左右に、丁度薄墨をいたやうに、僅ばかりしか残つてゐない。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
紺地こんぢおびむなたかう、高島田たかしまだひんよきに、ぎん平打ひらうちかうがいのみ
森の紫陽花 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
曲者「何卒どうぞ御免なすって……実はなんでございます、へえ全くひんの盗みでございますから、何卒御免なすって」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しかしながら一方から考えると実にチベットは残酷ざんこくな制度で、貧民ひんみんはますますひんに陥って苦しまねばならぬ。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
主人ははしとも楊枝ようじとも片のつかないもので、無雑作むぞうさに饅頭を割って、むしゃむしゃ食い始めた。宗助もひんならった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
れば吾々もこの度は米国人のひんならい、一切上圊じょうせいを廃して政府をこまらしてろうではないか、この発案の可否如何いかんとて
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
藤「だって誠に品格ひんい、色白な眉毛の濃い、目のさえ/″\した笑うと愛敬の有る好い男の身丈せいのスラリとした」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
すると狂歌師きやうかしなか職人しよくにんれたら品格ひんが悪くなるだらうとこばんだものもあつたが
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
荘子そうじ』に「名はじつひんなり」とあるごとく、じつしゅにしてかくである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
著作的事業としては、失敗に終りましたけれども、その時確かに握った自己が主で、他はひんであるという信念は、今日の私に非常の自信と安心を与えてくれました。
私の個人主義 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と(ヨブ記三八章一一節)。北海にひんする国にとりては敵国の艦隊よりも恐るべき砂丘すなやまは、戦闘艦ならずして緑の樅の林をもって、ここにみごとに撃退されたのであります。
——我もとよりよく汝を知る。汝は世々東海のひんにいて、家祖みな漢朝の鴻恩こうおんをこうむり、汝また、はじめ孝廉こうれんにあげられてちょうに仕え、さらに恩遇をたまわりてようやく人とる。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この部屋は、これからでもひんやりしてゐていゝでせうね? 建前の工合でせうか。」と、おかみさんが仰る。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
おくみはその間に通りの髪結さんのところへ行つて、朝の内に来て貰ふやうに頼んで来る積りで、そこの押入を開けて懐中鏡を立てて、ひんやりした蚊帳の色のすが/\しい青さに彳みながら、そこらへ出るにもあんまりな、鬢のあたりを掻き上げた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
品位ひんのいい容貌、優雅な物越し、附添いの老婦人の態度などから推して、彼女はどうしても身分のある家の令嬢に違いないと、私はひとり極めにしてしまった。
日蔭の街 (新字新仮名) / 松本泰(著)
じいさま、彼所あそこゆる十五、六さいくらい少女しょうじょなんと品位ひん様子ようすをしてることでございましょう。
もっとも歴世、後宮のひんには、大みきさきに次いで、女御にょご更衣こういなど、寵妃の数にかぎりはない制度だったので、ひとり後醍醐のみを怨じ奉る筋あいもない。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藤原一族が勢力を得て、銘々が自分の娘をひんだの夫人だのというものにして自分の血縁を天皇に立てようと企むに至って、相続のたびに、否、常に相続をめぐって、お家騒動の絶え間なき連続のようなものだ。
いやか、爺婆じじばばるから。……そうだろう。あんな奴は、今におれがたたき殺してやろう、と恐ろしく意気込んで、飛上って、高いえだの桃の実をひんもぎって一個ひとつくれたんだ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「なるほど、そいつはいい思いつきだ。お前たちもだいぶ仕事がうまくなったようだ。じゃ、行って来い。そしてあいつ等を仲たがいさせるまでは決して帰って来るな。でないとお前たちの生皮なまかわひんむいでしまうぞ。」
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
すなわひんとゝもに江南に下り、彬の家に至り、やがて天台山てんだいさんに登りたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ひん驚いて曰く、全くそのこと無しと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
朋友死してる所なければ我がもとにおいてひんせよという。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
黒橇くろそりや、荷馬車や、徒歩の労働者が、きゅうにおりから放たれた家畜のように、自由に嬉々として、氷上をすべり、ひんぱんに対岸から対岸へ往き来した。
国境 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)