ひん)” の例文
いやか、爺婆じじばばるから。……そうだろう。あんな奴は、今におれがたたき殺してやろう、と恐ろしく意気込んで、飛上って、高いえだの桃の実をひんもぎって一個ひとつくれたんだ。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
仲たがいさせるまでは決して帰って来るな。でないとお前たちの生皮なまかわひんむいでしまうぞ。
イワンの馬鹿 (新字新仮名) / レオ・トルストイ(著)
なあ、おかみさん、その面の皮一枚いちめえひんめくる方が、慈善会よりよっぽど慈善ほどこしになるぜ。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)