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品
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ひん
ふりがな文庫
“
品
(
ひん
)” の例文
謙譲の
褄
(
つま
)
はづれは、
倨傲
(
きょごう
)
の
襟
(
えり
)
より
品
(
ひん
)
を備へて、
尋常
(
じんじょう
)
な
姿容
(
すがたかたち
)
は
調
(
ととの
)
つて、
焼地
(
やけち
)
に
焦
(
い
)
りつく影も、水で描いたやうに涼しくも
清爽
(
さわやか
)
であつた。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
わしはあの
優雅
(
ゆうが
)
な
都
(
みやこ
)
の言葉がも一度聞きたい。あの
殿上人
(
てんじょうびと
)
の
礼容
(
れいよう
)
ただしい
衣冠
(
いかん
)
と、そして美しい
上﨟
(
じょうろう
)
の
品
(
ひん
)
のよい
装
(
よそお
)
いがも一度見たい。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
其跡
(
そのあと
)
へ
入違
(
いれちが
)
つて
来
(
き
)
たのは、
織色
(
おりいろ
)
の
羽織
(
はおり
)
、
結城博多
(
ゆうきはかた
)
の五
本手
(
ほんて
)
の
衣服
(
きもの
)
に
茶博多
(
ちやはかた
)
の
帯
(
おび
)
を
締
(
し
)
めました人物、年齢四十五六になる
品
(
ひん
)
の
好
(
よ
)
い
男
(
をとこ
)
。客
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そのころ
牛
(
ぎゅう
)
なべをつつくのは、
品
(
ひん
)
のわるいものがやることで、いれずみをした
町
(
まち
)
のごろつきと、
適塾
(
てきじゅく
)
の
書生
(
しょせい
)
とにかぎられていました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
品
(
ひん
)
よしと
喜
(
よろ
)
こぶ
人
(
ひと
)
ありけり十九といへど
深窓
(
しんそう
)
の
育
(
そだ
)
ちは
室咲
(
むろざ
)
きも
同
(
おな
)
じこと
世
(
よ
)
の
風
(
かぜ
)
知
(
し
)
らねど
松風
(
まつ ぜ
)
の
響
(
ひゞ
)
きは
通
(
かよ
)
ふ
瓜琴
(
つまごと
)
のしらべに
長
(
なが
)
き
春日
(
はるび
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
旅
(
りよ
)
行の時にはもう
戀
(
こひ
)
人のやうな
伴侶
(
はんりよ
)
で、
撮影
(
さつえい
)
、
現像
(
げんぞう
)
、
燒
(
や
)
き
付
(
つけ
)
の
技量
(
ぎれう
)
も
自然
(
しぜん
)
と巧くなつて、學校での
展覽會
(
てんらんくわい
)
では
得意
(
とくい
)
な出
品
(
ひん
)
物
(
ぶつ
)
であり
写真と思ひ出:――私の写真修行――
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
おりおり余興に見せられる発声漫画などはこの意味ではたしかに一つの芸術である。
品
(
ひん
)
は悪いが一つの新しい世界を創造している。
映画時代
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
テムプル先生は、いつも彼女の容子に何か靜かな
朗
(
ほが
)
らかなものを、態度にどことない
威嚴
(
ゐげん
)
を、言葉には
品
(
ひん
)
よく穩かなものを持つてゐた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
真葛
(
まくず
)
が
原
(
はら
)
に
女郎花
(
おみなえし
)
が咲いた。すらすらと
薄
(
すすき
)
を抜けて、
悔
(
くい
)
ある高き身に、秋風を
品
(
ひん
)
よく
避
(
よ
)
けて通す心細さを、秋は
時雨
(
しぐれ
)
て冬になる。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
途上の
行
(
ゆ
)
きずりに聞く英国婦人の言葉遣ひと違つて、英語も
此
(
この
)
様に物優しい国語かと思ふ程美しく
品
(
ひん
)
の
好
(
い
)
い発音をする人である。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
手もとへよせて、
怪力
(
かいりき
)
の
若僧
(
わかそう
)
が、また、虫でもつまむように引っとらえた時である。いつか、
六部
(
ろくぶ
)
のうしろまで進んできた
品
(
ひん
)
よき
公達
(
きんだち
)
が
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
金持
(
かねも
)
ちは、かごの
中
(
なか
)
に
入
(
はい
)
っている
鶏
(
にわとり
)
を
見
(
み
)
ました。それは、
背
(
せ
)
の
低
(
ひく
)
い、ごま
色
(
いろ
)
の二
羽
(
わ
)
の
雌鶏
(
めんどり
)
と、一
羽
(
わ
)
のあまり
品
(
ひん
)
のよくない
雄鶏
(
おんどり
)
でありました。
金持ちと鶏
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『
然
(
しか
)
らば、
天下
(
てんか
)
二
品
(
ひん
)
なんだ。まア
好
(
い
)
いです』と
余
(
よ
)
は
慰
(
なぐさ
)
めたが、
或
(
あるひ
)
は
又
(
また
)
兒島氏
(
こじまし
)
や
大瀧氏
(
おほたきし
)
の
處
(
ところ
)
にも、
天下
(
てんか
)
一
品
(
ぴん
)
が
屆
(
とゞ
)
いて
居
(
ゐ
)
はせぬか?
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「百萬兩の嫁に望まれただけあつて、良い娘でしたよ。お
品
(
ひん
)
がよくて、
優
(
やさ
)
しさうで、あつしなら、百萬兩とあの娘と、
何方
(
どつち
)
を取ると言はれたら」
銭形平次捕物控:295 万両息子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
此
獣
(
けもの
)
雪を
避
(
さけ
)
て他国へ去るもありさらざるもあり、
動
(
うごか
)
ずして雪中に
穴居
(
けつきよ
)
するは
熊
(
くま
)
のみ也。
熊胆
(
くまのい
)
は越後を上
品
(
ひん
)
とす、雪中の熊胆はことさらに
価
(
あたひ
)
貴
(
たつと
)
し。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
池のまはりには、一面に
芦
(
あし
)
や
蒲
(
がま
)
が茂つてゐる。その
芦
(
あし
)
や
蒲
(
がま
)
の向うには、
背
(
せい
)
の高い
白楊
(
はこやなぎ
)
の
並木
(
なみき
)
が、
品
(
ひん
)
よく風に
戦
(
そよ
)
いでゐる。
蛙
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
同じ荒物屋で売る品で感心するのは
蒲
(
がま
)
で編んだ
雪沓
(
ゆきぐつ
)
で、男のは白いフランネルで女のは赤いので
縁
(
ふち
)
を取ります。編み方が丁寧で形に
品
(
ひん
)
があります。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
精米所では、東京風の
品
(
ひん
)
のいい
上
(
かみ
)
さんが、家に
引込
(
ひっこみ
)
きりで、浜屋の
後家
(
ごけ
)
に産れた主人の男の子と、自分に産れた二人の女の子供の世話をしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
わたくしほどの
芸人
(
げいにん
)
が、手前みそに
狂言
(
きょうげん
)
の
功能
(
こうのう
)
をならべたり、
一座
(
いちざ
)
の役者のちょうちん持ちをして、自分から
品
(
ひん
)
を下げるようなことはいたしませぬ。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
すっきりした眉と肉のおちた頬に、或る淋しげな
品
(
ひん
)
をもっていて、頣のまるみに、やさしい温良さが現われていた。
椎の木
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「そうともそうとも、
酒手
(
さかて
)
と
聞
(
き
)
きいていうんじゃねえが、
太夫
(
たゆう
)
はでえいち、
品
(
ひん
)
があるッて
評判
(
ひょうばん
)
だて。
江戸役者
(
えどやくしゃ
)
にゃ、
情
(
なさけ
)
ねえことに、
品
(
ひん
)
がねえからのう」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
田
(
た
)
に
棲
(
す
)
むもの、野に
棲
(
す
)
むもの、
鷸
(
しぎ
)
は四十八
品
(
ひん
)
と称し
候
(
そろ
)
とかや、僕のも
豈夫
(
あにそ
)
れ
調
(
てう
)
あり、
御坐
(
ござ
)
います
調
(
てう
)
あり、
愚痴
(
ぐち
)
ありのろけあり花ならば
色々
(
いろ/\
)
芥
(
あくた
)
ならば
様々
(
さま/″\
)
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
びじゅつ
品
(
ひん
)
の好きな二十めんそうは、古い刀やよろいなどを、このへやにかざって、よろこんでいるのでしょう。
ふしぎな人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
心持
俯向
(
うつむ
)
いていらっしゃるお顔の
品
(
ひん
)
の好さ! しかし奥様がどことなく
萎
(
しお
)
れていらしって
恍惚
(
うっとり
)
なすった御様子は、トント
嬉
(
うれし
)
かった昔を忍ぶとでもいいそうで
忘れ形見
(新字新仮名)
/
若松賤子
(著)
仏様だの、置き物だの、
手間
(
てま
)
の掛かった、
品
(
ひん
)
の好い、本当の
彫物
(
ちょうこく
)
をこしらえるんで、あんな、稲荷町の荒っぽいものとは訳が違うんだ。そりゃ上等のものなんだ。
幕末維新懐古談:03 安床の「安さん」の事
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ふりむいて見ますと、少しはなれたところに、まっ白な髪をした
品
(
ひん
)
のいいおじいさんが、二人の若い女の人をつれて立っています。ギンはこわごわそばへいきました。
湖水の女
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
まもなく木谷桜所があらわれ、
品
(
ひん
)
のいい声と身ぶりで、一と
綴
(
つづ
)
りの記事を木内桜谷に渡し、いい瓦版になりますよと云って、いかにも品のいい身ぶりで去っていった。
へちまの木
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
木村のお父さんは
所謂
(
いわゆる
)
、高位高官の人であるが、どうも
品
(
ひん
)
がない。眼つきが、いやらしい。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
紫陽花色
(
あぢさゐいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
品
(
ひん
)
の
良
(
よ
)
い、心の平凡な
樂
(
たのしみ
)
ともいふべく、
新基督教風
(
しんキリストけうふう
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、
紫陽花色
(
あぢさゐいろ
)
の
薔薇
(
ばら
)
の花、おまへを見るとイエスさまも厭になる、
僞善
(
ぎぜん
)
の花よ、
無言
(
むごん
)
の花よ。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
浪
(
なみ
)
の
江丸
(
えまる
)
で
本島
(
ほんたう
)
に
運
(
はこ
)
んで
來
(
き
)
た
諸
(
しよ
)
品
(
ひん
)
の
内
(
うち
)
にあつたので
直
(
たゞ
)
ちに
着手
(
ちやくしゆ
)
したが、
其爲
(
そのため
)
に
少
(
すく
)
なからぬ
勞力
(
ほねをり
)
と、
諸種
(
しよしゆ
)
の
重要
(
ぢゆうえう
)
なる
藥品等
(
やくひんとう
)
を
費
(
つひや
)
したは
勿論
(
もちろん
)
、
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
内部
(
ないぶ
)
各室
(
かくしつ
)
の
裝飾用
(
さうしよくよう
)
にと
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
顔
(
かお
)
だちの
品
(
ひん
)
のいいところや、
手足
(
てあし
)
の
白
(
しろ
)
いところを
見
(
み
)
ると、
百姓
(
ひゃくしょう
)
の
子供
(
こども
)
とは
思
(
おも
)
われません。
花のき村と盗人たち
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
「お嬢さまのような丸味では、ああいう
野獣派
(
フォーブ
)
の赤はいけませんわ。いっそ
赤鉛筆色
(
レッド・レッド
)
になすったら。いくぶん弱いですが、あれならお
品
(
ひん
)
もよろしいし、ヴァリュウも出ますから」
だいこん
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
父はそのときほどお遊さんが大きく
品
(
ひん
)
よくみえたことはなかったと申すのでござります。
蘆刈
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
友禅菊という、葉や、咲きかたや色の今めかしい
品
(
ひん
)
のない花だが、芒のかげに一叢になっているのは、邪魔にもならないのでそのままにしてあるが、
初元結
(
はつもとゆい
)
にはとてもおよばない。
紫式部:――忙しき目覚めに
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかし十貫目を荷うに
苦
(
にが
)
い顔せず、喜んで
荷
(
にな
)
いたい。
荷
(
にな
)
うさまを
綺麗
(
グレースフル
)
にし、あるいは荷うものの品質をよくし、ただ十貫目
担
(
かつ
)
げといえば、なるべく
品
(
ひん
)
よいものを
担
(
かつ
)
げというのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
省作は
無頓着
(
むとんちゃく
)
で白メレンスの
兵児帯
(
へこおび
)
が少し新しいくらいだが、おはまは上着は
中古
(
ちゅうぶる
)
でも
半襟
(
はんえり
)
と帯とは、仕立ておろしと思うようなメレンス友禅の
品
(
ひん
)
の悪くないのに卵色の
襷
(
たすき
)
を掛けてる。
隣の嫁
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
言葉が表わしているように、上品とは品柄の
勝
(
すぐ
)
れたもの、下品とは品柄の劣ったものを指している。ただし
品
(
ひん
)
の意味は一様ではない。上品、下品とはまず物品に関する区別であり得る。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
額
(
ひたい
)
を
撫
(
な
)
でると
氷
(
こおり
)
の様に
冷
(
つめ
)
たいが、地蔵眉の顔は如何にも柔和で清く、心の美しさも
偲
(
しの
)
ばれる。次郎さんをはじめ此家の
子女
(
むすこむすめ
)
は、皆
小柄
(
こがら
)
の色白で、可愛げな、
而
(
そう
)
して
品
(
ひん
)
の
良
(
よ
)
い顔をして居る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そして母に対する勝利の
分捕
(
ぶんど
)
り
品
(
ひん
)
として、木部は葉子一人のものとなった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
一人は、若い侍で、
背後
(
うしろ
)
姿ではあったけれど、何とも言えない
品
(
ひん
)
と
位
(
い
)
がその体に備わっていた。もう一人は、六十を過ごしたくらいの、頑丈らしい老武士であったが、これも品位を備えていた。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
でっぷりふとった
品
(
ひん
)
のいいお殿様と、泰軒先生との友達づきあいの会話のあいだに、このお方こそほかならぬ南のお奉行様と知るや、ここで待つようにと泰軒に言われた縁下の地面に土下座して
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
○米国は
市俄古
(
シカゴ
)
紐育
(
ニューヨーク
)
いづこも暑気非常なる故
龍動
(
ロンドン
)
または
巴里
(
パリー
)
の如く
品
(
ひん
)
好
(
よ
)
き風俗は
堪難
(
たえがた
)
し。我国夏季の気候は、温度は米国に比すれば遥に低けれど、湿気あつて汗多く出るをもて洋服には甚不便なり。
洋服論
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
お
富
(
とみ
)
と云るが
姉妹
(
はらから
)
共に
心操
(
こゝろばえ
)
優
(
やさ
)
しく何處となく
品
(
ひん
)
よき
生質
(
うまれつき
)
なれば如何なる
貴人
(
きにん
)
の娘といふとも
恥
(
はづか
)
しからず
斯
(
かゝ
)
る在所には珍しき者にて殊に
兩人
(
ふたり
)
とも
親思
(
おやおも
)
ひの
孝行
(
かうかう
)
者なれば
今
(
いま
)
父
(
ちゝ
)
十兵衞が
年貢
(
ねんぐ
)
の金に
差詰
(
さしつま
)
り身を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あまり
品
(
ひん
)
の
良
(
よ
)
くない
竜神
(
りゅうじん
)
さんでぎっしり
填
(
つま
)
っていました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
なる子
品
(
ひん
)
がいゝわ、第一……。
雅俗貧困譜
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
品
(
ひん
)
のいい
方
(
かた
)
、静かな
方
(
かた
)
。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
時
(
とき
)
に、
先客
(
せんきやく
)
が
一人
(
ひとり
)
ありまして
爐
(
ろ
)
の
右
(
みぎ
)
に
居
(
ゐ
)
ました。
氣高
(
けだか
)
いばかり
品
(
ひん
)
のいゝ
年
(
とし
)
とつた
尼
(
あま
)
さんです。
失禮
(
しつれい
)
ながら、
此
(
こ
)
の
先客
(
せんきやく
)
は
邪魔
(
じやま
)
でした。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
七宝
(
しっぽう
)
の
夫婦釦
(
めおとボタン
)
は
滑
(
なめらか
)
な
淡紅色
(
ときいろ
)
を緑の上に浮かして、
華奢
(
きゃしゃ
)
な金縁のなかに暖かく包まれている。
背広
(
せびろ
)
の地は
品
(
ひん
)
の好い
英吉利織
(
イギリスおり
)
である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「すべて
陶器
(
とうき
)
は、
軽
(
かる
)
い、
薄手
(
うすで
)
のを
貴
(
たっと
)
びます。
茶
(
ちゃ
)
わんの
重
(
おも
)
い、
厚手
(
あつで
)
のは、まことに
品
(
ひん
)
のないものでございます。」と、
役人
(
やくにん
)
はお
答
(
こた
)
えしました。
殿さまの茶わん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
顔に小
皺
(
じわ
)
は寄つて居るが、色の白い、目の晴やかに大きい、伯爵夫人と言つても好い程の
品
(
ひん
)
のある女である。博士も何か謡曲の一
節
(
せつ
)
を
謡
(
うた
)
はれた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
“品”の意味
《名詞》
(しな)人が使用したり消費する対象。もの。品物。
(ヒン)人としての資質。品格。
(出典:Wiktionary)
品
常用漢字
小3
部首:⼝
9画
“品”を含む語句
上品
物品
品物
一品
品質
贓品
玩弄品
品評
下品
手品
作品
品行
不品行
記念品
手遊品
此品
品位
品格
品々
手品師
...