“真葛”のいろいろな読み方と例文
旧字:眞葛
読み方割合
まくず87.5%
まくづ12.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は、山の方に上がってゆく静かな細い通りを歩いて、約束の、真葛まくずはらのある茶亭の入口のところに来てしばらく待っていた。
黒髪 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
「ふん、そうかそうか、かどわかされて、それから浜松の小屋になる。———とすると『真葛まくずヶ原の段』と云うのがありゃしなかったかい?………ねえ、お前、………」
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
原に真葛まくず、川に加茂かも、山に比叡ひえ愛宕あたご鞍馬くらま、ことごとく昔のままの原と川と山である。
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
先ずあれにするには西京さいきょう真葛まくずはらの豆が一番上等です。大阪のあまさき辺の一寸豆いっすんまめもようございます。上州沼田辺の豆も大きいそうですが新豆のしたのなら一昼夜水へ漬けます。ヒネならモット長く漬けないと大きく膨れません。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
なうハビアン、思へばそなたはかなしい男ぢや。そなたはもと、恵春というて禅門の僧であつたものを、はからずも癩瘡らいそうを病んで膿血うみち五臓にあふれ、門徒の附合もかなはず、真葛まくずはらで乞食をして年を経たところを、南蛮宗ウルガン和尚の手に救はれ、ねんごろな投薬加療その験あつてたちまち五体は清浄となる。
ハビアン説法 (新字旧仮名) / 神西清(著)
京都の真葛まくづはら西行庵に小文こぶんさんといふ風流人がゐる。セルロイド製のやうな、つるつるした頭をした男で、そしてまたセルロイド製のやうに年中から/\笑つて暮してゐる。