“紫陽花色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あじさいいろ60.0%
あぢさゐいろ40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
暁のほのかな薄明りが、紫陽花色あじさいいろに格子づくりの、出入り口のあなたに隙けて見えたが、読経に余念のない宮家には、まだお気づきにならないようであった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
紫陽花色あじさいいろに降って来たので、その圏内へはいった時だけは、顔に白布をのっぺら坊のように垂らした、女怪のような早瀬の姿が、森の魔のように隠見して見えた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
紫陽花色あぢさゐいろ薔薇ばらの花、ひんい、心の平凡なたのしみともいふべく、新基督教風しんキリストけうふう薔薇ばらの花、紫陽花色あぢさゐいろ薔薇ばらの花、おまへを見るとイエスさまも厭になる、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
桑畑、荒壁の土蔵、屋根の上のゴロ石などが、引いて取られるやうに、すつと後へ退り、川上の伊那山脈は、紫陽花色あぢさゐいろの、もくもくした雲の下へ捻ぢこまれて、強烈な印度青インチゴーの厚ぼつたい裾も
天竜川 (新字旧仮名) / 小島烏水(著)