ゆが)” の例文
そうして、彼女の影を踏みながらその後から従った。大兄の顔はゆがんで来た。彼は小石を拾うと森の中へ投げ込んだ。森は数枚の柏の葉から月光を払い落してつぶやいた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
しかし宿禰はひとり、ますます憂慮にゆがんだ暗鬱な顔をして、その眼を光らせながら宮の隅々をさ迷うていた。第六番目の乙女が選ばれて立った。人々は恐怖を以て彼女の身の上を気遣きづかった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
反耶の顔は、喜びに輝き出した反絵の顔にひきかえてゆがんで来た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)