“ゆが”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
91.3%
5.6%
瑜伽1.3%
0.9%
湯掻0.5%
0.2%
歪曲0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
手紙の文句はプツリときれてをりますが、その意味は邪念に充ちて、まづい假名文字までが、のろひと怨みに引きゆがめられてゐるのです。
お熊は四十格向がッこうで、薄痘痕うすいもがあッて、小鬢こびん禿はげがあッて、右の眼がゆがんで、口がとんがらかッて、どう見ても新造面しんぞうづら——意地悪別製の新造面である。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
他目よそめにもかずあるまじき君父の恩義惜氣をしげもなく振り捨てて、人のそしり、世の笑ひを思ひ給はで、弓矢とる御身に瑜伽ゆが三密のたしなみは、世の無常を如何に深く觀じ給ひけるぞ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
それから此上もなく光沢つやのある真珠の歯が、紅い微笑ほゝゑみの中にきらめいて、唇のゆがむ毎に、小さなゑくぼが、繻子のやうな薔薇色のうつくしい頬に現れる。
クラリモンド (新字旧仮名) / テオフィル・ゴーチェ(著)
「いま帰ったよ。……さぞ心細かったであろう。嬰児ややはあれきり眼をさまさなかったか。……待て待て、さっそく、葛粉くずこ湯掻ゆがいてやるからの」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして、彼女の影を踏みながらその後から従った。大兄の顔はゆがんで来た。彼は小石を拾うと森の中へ投げ込んだ。森は数枚の柏の葉から月光を払い落してつぶやいた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
しかし宿禰はひとり、ますます憂慮にゆがんだ暗鬱な顔をして、その眼を光らせながら宮の隅々をさ迷うていた。第六番目の乙女が選ばれて立った。人々は恐怖を以て彼女の身の上を気遣きづかった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
かき入れなしの磨硝子すりがらすに、鉢から朝顔の葉をあしらって夕顔に見せた処が、少々歪曲ゆがんでせたから、胡瓜きゅうりに見えます、胡瓜に並んで、野郎が南瓜かぼちゃで……ははは。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)