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顰
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びん
ふりがな文庫
“
顰
(
びん
)” の例文
京子の一
顰
(
びん
)
一
笑
(
しょう
)
に、彼女の幸福や不幸が宿っているのだった。京子の機嫌の悪いときは、彼女の生活は暗くなってしまうのだった。
第二の接吻
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
無暗に豪傑振つて女を軽蔑したがるくせに高が
売女
(
ばいぢよ
)
の一
顰
(
びん
)
一笑に喜憂して鼻の下を伸ばす先生方は、
何方
(
どつち
)
かといふと却て女の
翫弄物
(
ぐわんろうぶつ
)
だ子。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
政治
(
まつり
)
は
朝廟
(
ちょうびょう
)
で議するも、令は相府に左右される。公卿百官はおるも、心は曹操の一
顰
(
びん
)
一
笑
(
しょう
)
のみ怖れて、また、宮門の直臣たる
襟度
(
きんど
)
を持しておる者もない。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
三十五六の食えそうもない大年増で、この一
顰
(
びん
)
一笑が小左衛門に大きな影響を及ぼしそうです。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ましてやその一
顰
(
びん
)
一笑によって、国も傾く
女魔
(
にょま
)
がおつきなのです。
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
嫂が義兄にそっとしてみせる一
顰
(
びん
)
一笑を
偸
(
ぬす
)
み見たり、ぼくの御飯茶碗へ、兄のついでに、御飯を盛ってくれる白い指先へ、特異なよろこびをもったりした。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼の一
顰
(
びん
)
一笑が気になった。彼が気にしまいとすればするほど、気になって仕方がなかった。
蘭学事始
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
小左衞門の後ろに、人形と人形遣ひのやうに
控
(
ひか
)
へたのは、女房のお仲でした。三十五六の食へさうもない大年増で、この一
顰
(
びん
)
一笑が小左衞門に大きな影響を及ぼしさうです。
銭形平次捕物控:213 一と目千両
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
やっと彼女を
宥
(
なだ
)
め得ただけでも村重はほっとした顔であった。かえって彼の方から話をほかに
紛
(
まぎ
)
らわせたりして、ようやく室殿の一
顰
(
びん
)
一
笑
(
しょう
)
を拾うの有様であった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ポツチリ咲いたやうな
唇
(
くちびる
)
の魅力など、一つ/\の美しさは
算
(
かぞ
)
へ立てても際限がありませんが、何より、躰内に灯された處女の生命が、一
顰
(
びん
)
、一笑、一擧手、一投足に、恐ろしいばかりの
光明
(
ひかり
)
になつて
銭形平次捕物控:238 恋患ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
現状の柳営では、五人の老中の言葉よりも、出羽守の一
顰
(
びん
)
一
笑
(
しょう
)
の方が、御表をも、大奥をも、左右している有様だし、将軍家に至っては、まるで彼の
操
(
あやつ
)
る糸のままに感情があらわされる。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
顰
漢検1級
部首:⾴
24画
“顰”を含む語句
顰蹙
一顰
顰面
一顰一笑
打顰
顰笑
一顰一蹙
嬌顰
詩史顰
面顰
顰縮面