“いたいた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
傷々65.9%
痛々22.0%
惨々4.9%
可傷2.4%
疼々2.4%
痛痛2.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こんな小さなせっぽちな伯父がこれから一人ぼっちで棺の中に入らなければならないのかと思って、ひどく傷々いたいたしい気がした。
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
まあ、そんな痛々いたいたしい御様子ごようすでは、これからどこへいらっしゃろうといっても、途中とちゅうあるけなくなるにきまっています。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
まなこのみいと大くて、病勝やまひがち痩衰やせおとろへたる五体は燈心とうしみの如く、見るだに惨々いたいたしながら、声のあきらかにして張ある、何処いづこよりづるならんと、一たびは目を驚かし、一たびは耳を驚かすてふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
それまで彼女は激しい季候を防ぐものもなしに、よく途中から寒い雨にれて来て、その可傷いたいたしさが岸本には見ていられなかったからで。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その心を思うと、実に可傷いたいたしかった。死の中から持来す回生の力——それは彼の周囲にある人達の願いであるばかりでなく、また彼自身の熱い望みであった。春が待たれた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
姉さんどうしたんだッてね、余り可哀相かわいそうだから声を懸けてやりましたが、返事をしません。疵処きずしょにばかり気を取られて、もううつつなんだろうと思いました、わかいのに疼々いたいたしい。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)