惨々いたいた)” の例文
旧字:慘々
女は慄然ぞっとしたようであった。その落ちくぼんだ胸部や、細々と痩せた手首などが一そう惨々いたいたしく見えた。そして彼女は半ば眼をつぶり、くちをふるわせながら
碧眼 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
まなこのみいと大くて、病勝やまひがち痩衰やせおとろへたる五体は燈心とうしみの如く、見るだに惨々いたいたしながら、声のあきらかにして張ある、何処いづこよりづるならんと、一たびは目を驚かし、一たびは耳を驚かすてふ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)