“せんさい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
繊細45.9%
剪裁13.5%
戦災8.1%
先妻5.4%
纎細2.7%
僉載2.7%
前妻2.7%
剪綵2.7%
千斎2.7%
千載2.7%
栓塞2.7%
浅才2.7%
羨殺2.7%
鮮菜2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かの子 ここの所一寸ちょっとそういうふうな状態ですね。繊細せんさいな感覚的な拾物ひろいもの程度のものは一部の人の中に入って来てはいるけど。
新時代女性問答 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
原文の仄起そっき平起ひょうきとしたり、平起を仄起としたり、原文の韻のあるのを無韻にしたり、或は原文にない形容詞や副詞を附けて、勝手に剪裁せんさいしている。
余が翻訳の標準 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
たぶん戦災せんさいのなごりであろうか、なにかのこわれた金物かなものが、みちまっているのです。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
先日も申立たる趣意しゆいなれども先妻せんさい里惣内と不義致せしと申はしかとしたる證據しようこにてもありしかとあるに九助其儀は藤八へ御たづね願ひたてまつると申に大岡殿如何いかに藤八其方委細の事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかしただ一人久保田さんが纎細せんさいみつ作品さくひんを書く人でありながら球突たまつきではひどく不器用ぶきようなのをのぞけばそれぞれに球突たまつきの中にも作品さくひんかんじがあらはれてくるからおも白い。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
また時とすると、うでよりも口の仕合しあひになつてしまふ。しかし、ここにも先生の風かくあらはれて、そのりたるやゆう重厚じうこうかんじがある。そして、一めんには纎細せんさい妙巧めうこうおもむきを見る。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
これには苟くもわが日本に存するその方言を残らず採集してそれを網羅整頓し、ここにこれを一書にまとめて僉載せんさいし、すべからく植物方言全集を完成して刊行すべき事を私は強調する。
そこへ我輩が口を出すと、前妻せんさいの子ばかり可愛がつて進の方は少許ちつとかまつて呉れんなんて——直に邪推だ。だからもう我輩は何にも言はん。家内の為る通りに為せて、黙つて見て居るのさ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
従つてその絵は万花鏡ばんくわきやうのぞく如く、活動写真を観たあとの心象の如く、大顕微鏡下に水中の有機体をけみする如く、雑多な印象が剪綵せんさいせられずに其儘そのまゝ並べられて居るが、印象にはおのづから強弱と明暗があるから
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
丁度二を上げて一撥ひとばち二撥当てた音締ねじめ。但し女にあらず。女にあらずとすればまさしく師匠の千斎せんさいである。わたしは二の糸の上った様子から語っているのは何かと耳を傾けるとも知らず内ではおもむろに
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
其所そこ發掘はつくつ機會きくわいた。千載せんさいの一ぐう。それに參豫さんよしたは、じつ採集家さいしふかとしての名譽めいよ此上このうへい。
小さな血管の栓塞せんさいを起して組織を壊疽えそに陥れますから、どうしても血液の凝固を妨げる工夫をするより外に道はありません。
人工心臓 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
今このあたりの地相を見て、ひとえに周瑜しゅうゆ浅才せんさいや、孔明の未熟が分ったから、ついおかしくなったのだ。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
菊と紅葉の模様の揃ひの湯呑茶碗の話などは、貧しい一文学書生を羨殺せんさいせしむるに十分であつた。それに、其他にもいろ/\な話を聞いてゐた。
紅葉山人訪問記 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
とはいえ去燕雁来きょえんがんらいの季節である。洛内の旅舎は忙しい。諸州から秋の新穀しんこく鮮菜せんさい美果びかなどおびただしく市にはいってくるし、貢来こうらいの絹布や肥馬も輻輳ふくそうして賑わしい。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)