“輻輳”の読み方と例文
読み方割合
ふくそう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
信長の言質げんちと、圧切へしきりの一刀を持って、官兵衛はひとまず城を退がった。城内城下はこの日も来往の諸大将とその兵馬で輻輳ふくそうしていた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
話はとりとめもなく混乱するが、生憎と私の筆を一層まごつかせるためのやうに、脈絡のない二三の出来事が数日のうちに輻輳ふくそうして起つた。
狼園 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
「ところへもって来て僕の未来の細君が風邪かぜを引いたんだね。ちょうど婆さんの御誂おあつらえ通りに事件が輻輳ふくそうしたからたまらない」
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)