“御誂”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おあつら50.0%
おあつらえ50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ところへもって来て僕の未来の細君が風邪かぜを引いたんだね。ちょうど婆さんの御誂おあつらえ通りに事件が輻輳ふくそうしたからたまらない」
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
随って人工雪の場合においては勿論のことである。ところが丁度その頃北海道帝国大学内に、常時低温研究室という御誂おあつらえ向きのものが設置された。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
御誂おあつらえならこしらえますが少々時間がかかります、と云うと迷亭先生は落ちついたもので、どうせ我々は正月でひまなんだから
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
久兵衛はその人に言い付けて、帳箪笥ちょうだんすの横手にある戸棚とだなから紙包みを取り出させた。その上に、「御誂おあつらえ、伊勢久」としてあるのを縫助の前に置いた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)