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御誂
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おあつらえ
ふりがな文庫
“
御誂
(
おあつらえ
)” の例文
御誂
(
おあつらえ
)
ならこしらえますが少々時間がかかります、と云うと迷亭先生は落ちついたもので、どうせ我々は正月でひまなんだから
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
久兵衛はその人に言い付けて、
帳箪笥
(
ちょうだんす
)
の横手にある
戸棚
(
とだな
)
から紙包みを取り出させた。その上に、「
御誂
(
おあつらえ
)
、伊勢久」としてあるのを縫助の前に置いた。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
前書があれば一層はっきりはするけれども、「ついと覗てついとゆく」といえば、その鶯が
御誂
(
おあつらえ
)
通り啼かぬことは言外に含まれている。「鳴はせで」と断るのは蛇足である。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
「お前のように、楽屋でそんなことを言うもんじゃないぞい——見よや、日の出に鶴だ。丁度
御誂
(
おあつらえ
)
だ。これで袴を
穿
(
は
)
いて御覧、立派な
万歳
(
まんざい
)
が出来るに」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「へえ御待遠さま、たんと御覧遊ばせ」と細君が鋏を主人に渡す時に、勝手から
御三
(
おさん
)
が御客さまの
御誂
(
おあつらえ
)
が参りましたと、二個の
笊蕎麦
(
ざるそば
)
を座敷へ持って来る。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
しばらくすると第二のゴンゴンが鳴る。ちょっと
御誂
(
おあつらえ
)
通りにできてる。それから
階子段
(
はしごだん
)
を二つ下りて食堂へ這入る。例のごとく「オートミール」を第一に食う。これは
蘇格土蘭
(
スコットランド
)
人の常食だ。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ところへ下女が
御誂
(
おあつらえ
)
を持ってくる。煙草に火を
点
(
つ
)
ける
間
(
ま
)
はなかった。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
誂
漢検1級
部首:⾔
13画
“御誂”で始まる語句
御誂向
御誂物手鑑