先妻せんさい)” の例文
ねんばかりまへにうせたる先妻せんさいはらにぬひとばれて、いま奧樣おくさまにはまゝなるあり、桂次けいじがはじめてときは十四か三か、唐人髷とうじんまげあかれかけて
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
先日も申立たる趣意しゆいなれども先妻せんさい里惣内と不義致せしと申はしかとしたる證據しようこにてもありしかとあるに九助其儀は藤八へ御たづね願ひたてまつると申に大岡殿如何いかに藤八其方委細の事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其方儀そのはうぎせん名主惣内妻さとは先妻せんさいに有之候へども一旦離縁りえん致し候上は違論ゐろん之なき筈の處右體の儀を根に持惣内へ遺恨ゐこんふくみ去る二月十九日下伊呂村辨天堂べんてんだう前大井河原に於て右惣内さと兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
サア何ぢやおのれ五ヶ年の間江戸へ奉公ほうこうに出し留守中るすちう家内の者惣内が扶持を受し恩をも思はず惣内に不義ふぎ汚名をめいを負せ己れがほかにて語合かたらひし女を妻に致さんが爲罪なき伯父の娘恩ある惣内そうないへ惡名を付先妻せんさい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)