“脆弱(かよわ)” の例文
何もそう幽霊に親類があるように落着いていてくれるこたあねえ、これが同一(おなじ)でも、おばさんに雪責にされて死んだとでもいう脆弱(かよわ)い遊女(おいらん)のなら、五助も男だ。
註文帳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……あなたは見たから知っているでしょう、こんな脆弱(かよわ)い女一人を、大勢の男であんなひどい目に逢わせるんです。……ねえ、あなた、あたしを気の毒だと思わない?
顎十郎捕物帳:01 捨公方 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
もう一つ砲丸を擲(な)げることは、どの若い女にも出来るという絶対の芸当ではないのだ。それとも君は、脆弱(かよわ)い女性にあの砲丸を相手の肩へ投(な)げつけることが出来る場合を想像できるかネ
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
お高(たか)が胸先(むなさき)くつろげんとする此時(このとき)はやし間一髮(かんいつぱつ)、まち給(たま)へとばかり後(うしろ)の藪垣(やぶがき)まろび出(い)でゝ利腕(きゝうで)しつかと取(と)る男(をとこ)誰(た)れぞ放(はな)して死(し)なしてと脆弱(かよわ)き身(み)にも一心(いつしん)に振切(ふりき)らんとするをいつかな放(はな)さず
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
これは一部の人に大変奇異(きい)な思いをいだかせた。何故ならば、どうしてチェリーのように脆弱(かよわ)い女性が、あの重い砲丸を金青年の肩の上に擲(な)げつけることが出来たろうかという疑問が第一。
ゴールデン・バット事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)