“ひよわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
脾弱40.0%
尫弱16.4%
脆弱9.1%
虚弱7.3%
羸弱7.3%
孱弱5.5%
繊弱3.6%
剉弱1.8%
痺弱1.8%
瘻弱1.8%
繊柔1.8%
纎弱1.8%
纖弱1.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
娘というのは数え歳は十六だそうだが、見たところやっと十二か十三で、脾弱ひよわな胴に結んだ帯がともすればずり落ちるほど腰の肉などなかった。
健康三題 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
身躰からだではないが、君が此尫弱ひよわなりでどうしてあれだけの詩篇が出來、其詩篇が一々椋實珠むくろうじゆのやうに底光りのした鍛錬の痕を留めてをる、其精力の大さでした。
花守 (旧字旧仮名) / 横瀬夜雨(著)
元が安物で脆弱ひよわいからであろうけれど、初やなぞに言わせると、何か厭なことがある前徴である。しかたがないから、片足袋ぬいで、半分跣足はだしになる。
千鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
阿母おっかさん、こればかりは堪忍してください」と、歌女代は泣いてことわった。何をいうにも自分は身体が虚弱ひよわい。
半七捕物帳:05 お化け師匠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
羸弱ひよわくてあんな病氣に取り憑かれて死なれて見ると、派立(本村もとむらの分村)の目病み婆見たいに八十の身空で、世話になる孫子にも嫁にも皆死なれて、村役場から米だの錢だのを貰つて
地方主義篇:(散文詩) (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
この寒いのに浴衣一枚で、これから毎朝跣足はだし参りをするんだそうですが、見るから痩せぎすな、孱弱ひよわそうな人ですから、からだを痛めなければいいがと案じています。
半七捕物帳:10 広重と河獺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
腹をかして病気をなおすんだとさ! あれあね、ドイツ人という奴は自分が繊弱ひよわいもんだから、ロシア人の胃の腑もそれで片づくものと思いこんでいくさるのでさ! なあに
嫂も剉弱ひよわい方であつたが、最近内臓に何か厄介なやまひが巣喰つて来た。切開が唯一の治療方法であつたが、年を取つてゐるので、薬物療法をとることにしてゐた。
町の踊り場 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
三毛の雌の方が丈夫でトラの方が少し痺弱ひよわいようだ、組打をしてもトラの方が押され気味で、いつもねわざに受けて居る。
自分の秘密を知らぬものの推測としてはこれが最も当っているので、お政の天性うまれつき瘻弱ひよわなことは確に幾分の源因を為している。もしこれが自分の母の如きであったなら決して自殺など為ない。
酒中日記 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
早くお婿さんが来て自分を一緒に遠いところへ連れて行つて欲しい、斯の熱くなつたり冷くなつたりするやうな繊柔ひよわい自分をもつと奈様どうかして欲しいと願つた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
(注げ! 馬鹿めが、)と猪口を叱って、茶碗で、苦い顔して、がぶがぶと掻喫かっくらう処へ、……色の白い、ちと纎弱ひよわい、と云った柄さ。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
骨細で華奢な癖に、妙に肉感的な女で、その病的な纖弱ひよわさが、金田屋三七などといふ惡黨の異常な好みに投じたものでせう。